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数Aで考えるマナベースの限界値

はじめに

 僕はMTGをイクサランドラフトから始めたのですが、全くの無知から始めたので一番最初の疑問は土地はデッキに何枚?でした。

 MTGArenaが流行りショップ大会でも初心者が増えた今、土地はこういった理論で何枚がいいですよ!といった記事、話題は需要があるのか以前より見かけるようになりまし。
 しかしその中には少し目を通しただけでも計算式が間違ってないか?と思うものもあり、僕が今までに参考にした数値の信頼性を確認するためにも自分自身で計算してみることにしました。

 ということでデッキに入れる土地の枚数を、高校数学Aの確立の最大値を使って求めてみたいと思います。

確率の最大値

 MTGは好きだけど数Aはなぁと思った方は、結果と同じぐらい理由はMTGでもそれ以外でも重要だと思うのでどういった考え方をするのか、ぐらいは知ってもらえると嬉しいです。

 確率の最大値は、確率の式を問題に合わせたnで作ったときにn+1の確率との大小を比較することで求めることができます。
 MTGでよくダイスを振る皆さんはこの表を見るとイメージがしやすいと思います。

 48回ダイスを振って6が1回も出ないことや全部6になる確率が少ないのはイメージがしやすいですね。8が最大になるのも48÷6でなんとなくイメージが湧くかもしれません。
 ここでいうnは6が出る回数になり、例えば1回しか6が出ない確率と2回6が出る確率を比べると2回のほうが高かった。では2回と3回を比べて…と繰り返して8回と9回では8回のほうが確率が高いから8回が最大値、という結果を得ることになります。

MTGにあてはめる

 では確率の最大値をMTGの土地枚数に当てはめていこうと思います。
 今回は式を簡単にするために、tターン目までにちょうどn枚の土地を引きたいという考えのもと式を立てていきます。

 L:デッキに入れる土地の枚数
 n:引きたい土地の枚数
  t:ターン数
としたとき、tターン目までにちょうどn枚の土地を引く確率が一番高い土地の枚数を知ることができます。
 また、この式から得られるのは、何枚以上などではなくジャストn枚引く確率が一番高いものなのでマナベースの限界、L枚以上は土地を入れないといけない、という下限のようなものになります。逆にこの枚数までは土地を減らしてもなんとかなるかも?ということです、なので話題の上振れを狙ったマナベースも次の結果次第では合理的なものがあるかもしれません。

計算結果

 結果を簡単な表にまとめました。

 想像より小さい数値に驚く人も多いと思います、僕自身も驚きました。
 この数値の低さはちょうどn枚によって起きています。例えば、2ターン目までにちょうど2枚引く確率が一番高い土地の枚数Lは15枚で確率は33.42%、16枚の時は33.1%、17枚だと32.4%と少しずつですが下がっていきます。これは土地を引きすぎる場合が増えたからです。
 スタンダードにおいて序盤の土地は、必ず引かないといけないカードでありこの数値をそのまま参考にするのはよくありません、仮に2ターン目までに土地を2枚以上引きたい、となった場合はターン数2(t=2)、引きたい数3(n=3)の22枚を参考にすると良いです。これは2ターン目までに3枚土地を引く確率が一番高い枚数なので、土地を低すぎることもなく且つ2枚は概ね引けるだろう、ということになります。
 下限(t=2,n=2)を知りどれくらい増やしたらいいか(t=2,n=3)を参考に土地枚数を決めるといいと思います。

 スタンダード構築でよく目にする値に印をつけました。

 この色がついている部分は予想通りだった部分でもあります。
緑色-アグロ
 ”4ターン目までにちょうど1枚引きたい時はデッキに6枚”は今の赤単を思い出します。そう、実験の狂乱とチャンドラです。前のめりなデッキのフィニッシャー、ダブったら弱いけどゲーム中1枚は見たい、そういったカードはこれぐらいの枚数を参考にするのがよさそうです。
 また、”3ターン目までにちょうど3枚引きたい時はデッキに20枚”も赤単白単といったアグロデッキの土地の枚数に近いです。マナフラッド(土地の引きすぎ)が負けに直結するデッキだが、鎖回しや軍司令、ベナリア史を考えると3マナ目までは欲しい、且つ低マナ域が多いのでマナスクリュー(土地の引かなすぎ)はある程度は許容できる、とういデッキの性質とこの表の限界値は相性がいいと思います。

青色-ミッドレンジ
 4ターン目までのドロー込みで4枚ちょうど土地が引ける確率が一番高い24枚です。カーリゼヴがいたころの赤黒や少し前のグルールウォリアーなどのデッキはマナフラッドしたくないので限界値のこの数字が一番都合がいいのかなと思います。

ピンク色-コントロール
 この数字をみるとコントロールデッキを思い出すぐらいにはよく見る数字です。足すとちょうど60枚になりますし、初手土地3スペル4で始めたいデッキを体現しているかなと思います。

表の性質と有用性

 イメージしやすいように限界値とも書いていますが、ちょうどn枚という式の関係上引きすぎたくないが引けたらリターンがしっかりある様なカードの枚数を決める際には指針となる結果が得られたと思います(アグロデッキの土地やフィニッシャー、ミッドレンジの4枚目以降の土地など)。
 ただし、僕のイメージするスタンダードは最大のリターンよりも安定した構築でプレイの上手い人が勝ち続けるフォーマットです。なので今回の表を、性質を理解せず鵜呑みにするのは危険が伴うと思います。
 しかしスタンダードでは使える場面を選ぶかもしれませんが、エターナルフォーマットでならこの表の有用性は大きいのかなとも思いました。この記事を書いているときはまだモダン歴2日ですが、下の環境になればなるほど限界値が重要になるように感じています。モダンの青白スピリットや人間、レガシーのアロサウルスの土地の枚数はこの表と近いです。
 しっかりとカードやデッキの性質を考慮すれば、今回の結果は意味のある表になると思います。

おわりに

 noteでの初めての記事なので(数式エディタが無くて?驚きました)内容も厚くなく、読み辛い文章があるかもしれませんが、最後まで目を通していただきありがとうございます。
 MTG歴1年半ぐらいの初級者が自分の成長になるかなと思い書いてみましたが、2000字って読んでみると数分だけど書くと結構大変だな、となり普段読んでいる記事の凄さを改めて感じました。
 書いてみたい記事のテーマは他にもいくつかあるので、また体力とモチベーションがあるときに挑戦してみたいと思います。

 改めて最後までありがとうございました。
 

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