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【講師インタビュー】英語講師は英検一級を狙う人たちをどのように導いていくのか【8月13日開催】【英検®指導者向け講座】

英語教室の講師、高校・大学の英語の先生は、上級の英語を学ぶ方々をどのように導いていくべきなのか。英検1級を狙う学習者の英語力向上のために考えなくてはいけないこととは。
講師・中西哲彦先生に夏の講座について、また広くこれからの英語教育にまで及ぶお話を伺いました。

【8月13日開催】英検®1級指導入門 2023夏 「英検1級を目指す英語学習者への学習援助はどうあるべきか」

※ 英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

――今回、8月13日開催の講座のポイントを教えてください。

英検2級を超えてくると、抽象度の高い内容を読む、情報の密度が濃いパッセージを聞く、母国語で語るのも大変だと思われるような話題について、書いたり、話したり、といったことが試験の中で問われることになります。
2級までの問題にも、全く未知の新しい内容を聞いたり、読んだりして、内容を掴むことが要求されますが、知力を振り絞る度合いが格段に高くなると言えばいいでしょうか。さらに、聞く量も読む量も増えてきます。論理的に、素早く情報を処理していかないと間に合いません。書く、話す、ときも、自分の頭の中にある情報を素早く整理し、発信していくことが必要です。
とにかく、1級は、脳みそにたくさん汗を書く試験なのですが、そんな試験を受ける学習者には、どんな支援が必要になってくるかを掴んでいただいたり、確認して頂いたり、という場になれば良いかと思います。

――講座の前半はどんな感じで進んでいきますか。

前半は、独断と偏見になるかもしれませんが、私がこれまで、授業の中でどんな教え方をしているか、どんな活動を課しているか、紹介させていただきます。すでにお気づきかと思いますが、対策講座はどうあるべきか、とか、対策指導のコツ、などと、対策という言葉は一切使っていません。問題の解き方を指導するコツ、とか謳っていません。
英語力を総合的に1級レベルまで高めることを支援する、どのように、というのが今回のテーマです。時事的なもの、社会問題、つまりニュースに出てくるようなもの、政治経済歴史などなど、いろんなことについて読んだり聞いたりしなくてはいけないし、中身を早く掴んで自分の中に取り込むことができるような活動を課していかないといけません。
どのようなタスクを学習者に向けて提示して、クリアさせるかということになりますが、その発想の仕組みや、与え方、コメントの付け方とか、一連のことを披露させていただきます。

私がお伝えすることをたたき台として、何を狙って、どんな英語学習あるいは活動をさせるかといったことについて、さらに、建設的な議論の場になればいいなと思います。

――後半はそれを受けて進んでいくわけでしょうか?

そうですね。たたき台のないところからの議論は、とりとめもなく広がってしまう可能性がありますが、それは避けたいと思っています。みんなが共通して向かっていく一つの方向性のようなことを、前半でみなさんそれぞれに理解していただけると思います。そのうえで、参加される先生方からは、超現場レベルの具体的な方法、アイデア、コツみたいなものを発言いただいて、どんどんみんなでシェアしていきたいですね。

――講座では、最新の英検の情報にも触れていくとも聞きました。

7月6日に実用英語技能検定(英検)の問題が一部リニューアルのお知らせっていうものが発表されました。

2024年度(予定)より実用英語技能検定(英検)の問題形式 一部リニューアルのお知らせ
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf

英検®公益財団法人 日本英語検定協会お知らせ

要するに、意見論述の問題に加えて要約問題が出ますよっていうことですね。内容を掴んで要約をする能力が必要であるという、いわゆる英語学習の一つの大きな道しるべみたいなものが、はっきりと示されたと思うんです。
これは、学習者に対する心理的な影響がとても大きいと思います。学習を補助援助する側にも影響は大きい。講座ではその影響についても触れますが、当然、どんな助けを学習者にしてあげるべきか、この発表がなされるまえから、私の準備はできております。しっかりお伝えしたいと思います。

――最後に、参加者される方へメッセージをお願い致します。

先生方というのは意外と心理的に孤立しているものです。だから、普段自分がやっていることを確認できたり、あるいは新しいアイディアを取り入れたり、または普段やっていることを強化したり、ということにも役に立つと思います。
効果的に学習者を助けようという思いが強いほど、普段自分がやっていることを確認できたり、強化したり、あるいは新しいアイディアを取り入れたり、という機会をもとめていらっしゃると思います。

この講座がお互いに学び合うきっかけ、その第一歩になればいいなと思っています。

「英検1級を目指す英語学習者への学習援助はどうあるべきか」英検®1級指導入門 2023夏 

開催日: 2023年 8月13日
開催時間:10:00~12:00
場所:オンライン(Zoomを使用します)

講師 中西 哲彦
三重県立高校、ECC外語学院、日本福祉大学、名古屋外国語大学、皇学館大学、金城学院大学などで教鞭をとり、同時に、三重県、岐阜県、東海市教育委員会が主催する研修などでも活躍。現在は、(古希を超えてもますます元気に)「茅ヶ崎方式英語会顧問」。
著書に『完全攻略! 英検(R)1級(アルク刊)』『足すだけ英会話トレーニング(中西哲彦著 株式会社アルク刊)』。茅ヶ崎方式・季刊LCTで「足すだけライティング講座」連載中。

茅ヶ崎方式英語会

LISTENINGを言語習得の基盤として、ニュースを素材に役立つ英語を段階的に身につける。1981年、元NHK国際記者らによって茅ヶ崎にて創設。全国およそ100校の茅ヶ崎方式協力校において学習会を行っている。

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