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【協力校インタビュー】その場面で一番ピッタリの表現で学ぶ、その蓄積が大きな力になる

茅ヶ崎方式の協力校では英検をどのように捉え、授業に反映しているのでしょうか。最近、英検の合格率が上がっているという熊谷校(英語の学校エルモール)を訪ね、講師の小菅順恵先生にお話を伺いました。(2021年)

熊谷校 英語の学校エルモール

―― 熊谷校で英検に合格した方は何人ぐらいいらっしゃいますか?

ここ2 年ですと1 級が3 人、準1 級が5人ぐらいだと思います。準1 級を取った高校生たちは、それぞれご自分の希望に沿った大学の合格を勝ち取っていて、とても良かったなと思います。

―― 英検の合格を目指すことでのメリットはあると思いますか?

特に高校生にとっては、入試がありますので目標にしやすいと思います。
大人の方は、みなさんが英検を目標にしているというわけではないのですが、これまで学んできたものの成果として、何かわかりやすいゴールを設定して差し上げるということも必要だと思います。休まずに学び続けることが、なにより重要だと考えておりますので。
また、教室としては、英検合格率が高いという言い方をすると成果がわかりやすいですし、カリキュラムの内容がイメージしていただきやすいので、セールスポイントにはなっているかなと思います。

―― 教室での学習で英検の対策として意識していることは何ですか?

これは特に英検だからというわけではありませんが、LCT や教本の文章を、自分の意見や伝えたいことの中に組み込む、つまり茅ヶ崎が標榜している英語の使用語化を促すということに留意しています。

例えば初級 クラスでは、講師が、社会生活の中で役に立つと思った構文100 個を教本の中から厳選して、それを確実にライティングできるようにする、ということを試みています。

中級クラスでは、汎用性が高いと思われる文章や、英検の出題傾向にあるような事象、具体的には環境問題、ジェンダーに関する問題など様々な社会課題について言及した文章を選んで、それを基に今の状況に当てはめて、その場で英作文してみる、といったことを教室の中で行っています。そこから、プラスアルファとして、エッセイライティングの講座を取ることをおすすめしています

―― ライティングの講座は岩渕デボラ* さんが担当されているそうですね。

*岩渕デボラ『英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ』(講談社)他、著書訳書多数

はい。エッセイライティングの講座では、課題のエッセイを提出していただいて、デボラさんに添削してもらっています。ネイティブの目線から、同じフレーズを繰り返し使わないことや、文脈の中での的確な単語選びをするといった、大事なポイントを指摘してくださいます。そこから、より良い英文を書くにはどうすればいいのかを上手に誘導してくれます。
通常の授業でも、なぜこの文脈では、この単語を使っているのかということを説明しているのですが、ご自分でライティングした文章のなかで、的確な単語の選び方を指摘されると、そこではじめて、腹に落ちるような理解をする部分があるんだと思います。

英検に合格した方はみなさんエッセイの得点が高いです。茅ヶ崎方式が良いのは、さまざまなコンテキストの中で、その場面で一番ピッタリな表現を使って書かれていることだと思います。自分の意見をここでしっかりと書かなくちゃいけない、っていう時にものすごく力を発揮するんですよね。

世の中を知ることが、力を与えてくれる


―― 茅ヶ崎方式顧問の中西哲彦先生が「『生きる力としての英語』を育てていく」ということをおっしゃっているのですが、今のお話はそこに繋がっていますね。

私が、最近思っているのは、歴史は繰り返す、ということです。ニュースを聞いていると、結局プレイヤーが入れ替わるだけで、人間がやっていることって変わらないのだなと。また、これは同時に私たちに「正解がない中でも(それでも)解を探すために考え続ける・努力し続けることの重要性」に気づかせてくれます。それは今、重要視されている、ネガティブ・ケイパビリティ、「答えの出ないことに耐える力」にも通ずることではないかと思います。

それから、高校生の会員さんが英語力も含めてすごく成長した、という場面に出会うことがしばしばあります。そんな時、世の中のことを知ることが、どれだけみんなに力を与えてくれるのかということを実感します。以前は自分の意見を言うときに、自信がなさそうだった様子が変わったり、講師との距離を近づけてくることができたり、いろんなことを発言できるようになるんです。年代も価値観も違う人達が競うのではなく、世の中のことを知りたい、という目的で集まってくる場所っていうのはすごく大事で、そこで学ぶ人っていうのはびっくりするくらい成長するのだなと感じています。

※本記事は茅ヶ崎方式・季刊LCT35号 特集『茅ヶ崎方式は英検にも強い』が初出で、そこから引用・再編集をしたものです。

茅ヶ崎方式 熊谷校 英語の学校エルモール

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茅ヶ崎方式英語会

LISTENINGを言語習得の基盤として、ニュースを素材に役立つ英語を段階的に身につける。1981年、元NHK国際記者らによって茅ヶ崎にて創設。全国およそ100校の茅ヶ崎方式協力校において学習会を行っている。


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