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テレビドラマとあの頃の憧れ

最近、懐かしのドラマを見返している。

中高生の頃、女性たちがお仕事に友情に奮闘する物語が大好きで、そういうドラマばかり見てきた。

人生で初めてハマったドラマは親が見ていたショムニ で、自分から強く見たいと願ったドラマはカバチタレ!踊る大捜査線をきっかけにきらきらひかるに大いにハマり、ビギナーを見て、その次にハマったのは確か映画スウィングガールズだった。

もちろん、ドハマりしなかったものの楽しく見ていたものはたくさんある。
竹内結子さんや天海祐希さん、常盤貴子さん、柴咲コウさん、篠原涼子さんにともさかりえさん……
このあたりの女優さんたちは大好きでキャーキャー言っていた記憶がある。

たかがドラマ。しかし、そうは言ってもされどドラマ。

私の人生はこうしたドラマの影響を強く受けているな、と思う。
特に、自分の人生観、しいていえば仕事観への影響が強い。

私はこうしたドラマが好きだったこともあり、学生の頃から働くことが当然だった。
90年代のショムニは、一般職の女性と総合職の男性という性差が明らかだった。
ショムニは「電球の取り替えや郵便の配送、お中元の仕分けに名刺作成」といったいわゆる雑務を担当する職場で、このあたりは如実に時代が反映されている。
とはいえ、そうした境遇に置かれても、むしろ会社を利用し楽しくなければ仕事じゃないと啖呵を切る、江角マキコ演じる坪井千夏をはじめとした女性たちの強さが描かれた。
まだ女性活躍が本格的ではなかった、過渡期だったとはいえ、どんな境遇に置かれても、女性が自らの主体性を見失わないことを力強く描いたドラマだった。
 
カバチタレ!きらきらひかる、ビギナーについては、恋愛もするけれど、それがメインではない女性たちが描かれる。
きらきらひかるの「恋もすればお酒も飲むし、司法解剖もすればオシャレもするんです」のキャッチコピーは象徴的だ。逆に言えば女性だって「恋やオシャレだけしてるんじゃないですよ」というドラマである。
恋やオシャレもするけれど、それが生活の中心なのではなくて、仕事をし悩む中に、恋やオシャレやお酒がある。
そういう価値観の中で育って来たので、仕事をすることは当然のこと。
そして、今も当たり前のように組織の中で仕事をしている。

私はいわゆる「ゆとり世代」
生まれたときには男女雇用機会均等法が成立しており、男性と女性は平等なのだという教育を受けてきた。
女性だからと専業主婦になれと言われたこともないし、大学に進学することに難色を示されたことも無い。むしろ大学に進まないという選択肢は存在しない家だった。
男性と同じ物差しで評価され、偏差値が高い学校に進み、良い点数を取り、「良い就職先=大企業」に進むことを良しとされてきた。

そうした価値観を支えてきたのは、もちろん教育が一番大きな、根幹を作っているのは当然だけど、こうしたドラマをはじめとした創作物も同じように自分の価値観を作ってきたように思う。
90年代終わりから00年代にかけて、女性が職業を持ち働くことが当然として描かれるドラマが数多く作られた。
私が大いにハマった前述のドラマもそうだけど、篠原涼子でいえばアンフェア、anego、ハケンの品格があるし、柴咲コウにはDr.コトー診療所、ガリレオがある。天海祐希でいえば離婚弁護士、女王の教室、BOSS…数えきれないほどある。

私はその中で、一生懸命働くことに憧れたし、仕事を通じて他人と共感し、同じ目標を目指していく。そういう在り方そのものに憧れたのだと思う。
共通の課題をもって、それをどうしたらいいか議論する中でお互いのことを知り、理解と共感を得ながら何かを達成していく。その中で信頼関係を深めていく。

あの頃、ドラマの世界に憧れたのは、そういう生き方そのものだったのだろうなと思う。
果たして私は、あの頃の自分が見たら憧れるような大人に今、なれているだろうか。

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