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富山の地形はスッキリしてる

山と平野と海がはっきり分かれていて、三段構えという感じがする。平野を山麓と市街地にわけてもいいのかもしれないが、山麓にいると見晴らせる範囲がとても広くて、どんと迫る山を背後に、海まで見える。

海も山もある場所も、海のすぐ近くまで丘陵が迫ってる場所も、日本にはたくさんあると思うのだけど、そしてあんまりないからエライってわけでもないのだけど、山!平野!海!ってはっきり分かれてるのは珍しい、3,000m級の山脈と海が近い富山ならではのはず。わたしが育った神奈川の谷戸地形と全然違うので、新鮮でおもしろくて、ぐっとくる。

はっきり分かれているのは、山が高いからだ。東に北アルプス、南に飛騨高地、それぞれから流れる川がいくつもあって、山から海が見えるくらい近いのだから川は急勾配の川が多い日本でも有数の急勾配で、ガガガっと川が削った土地が平地になる。

滝に行って要塞みたいでびっくりしたけど、そういうふうにしておかないと、流水域に人が住めないってことなんだろう。ぺかっと削られた平地は一続きで、山麓から見渡せる範囲には、これまで感じたことのない広さがある。平野がそのまま海まで繋がっていて、地理がすっきり体感できる。地形がシンプルにスッキリしている。

中央線に乗っていくといつまでも東京が終わらなくて、新宿副都心のビル群が遠くに小さく見え続けるのを、なんて広い平野なんだろうと思うのだけど、神奈川に帰るときには、JRでも小田急線でも、東京はわりとすぐに終わる。丘陵地に抱かれるような住宅街の景色になると、神奈川だと思う。

札幌に住んでた時だったか、『水曜どうでしょう』で大泉洋がスクーターに乗ってどこかの街を走っているのがテレビに映っていた。はっきり知ってる道ではなかったのだけど、この地形のアップダウンと住宅街のミックス感はなんとなく大船ぽいと思ってみていたらやっぱりそうだった。神奈川はすっきりしてなくて、谷と丘の緑の中に都市が混ざっている。

富山は日本有数のスッキリ地形だと思う。だから、植生自然度は本州で1番らしいのだけど、平地率はけっこう高くて、平地のど真ん中には意外と緑が少なかったりもする。


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