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ダメ!って言っちゃダメですか?
「やっぱり、子どもに”ダメ”って言うのって良くないですよね?」
先日、ご相談の中で、クライエントさん(2歳のお子さんのママ。仮にAさんとします)から、こんなご質問があった。
恐る恐る質問してみたという感じで、
「良くないって知ってるけど、でも…」を含んだ言葉に聴こえて
「あなたはどう思っているの?」と訊きたくなった。
自分だって、”ダメ!”ばかり言われたら、イヤだし
好奇心のままに、のびのび育って欲しいし
顔色うかがうような子になって欲しくない。。
でも、なんでも「いいよ、いいよ」ってするのは、甘やかすことになるんじゃないか。
大事なことは教えてあげなくちゃいけない。
うちではよくても、外では困ることもあるし。
将来、常識がわからなくて困ったらかわいそうだし。。
「ダメ」っていう言葉じゃなくて、違う言葉で言い換えても、結局やっていることは同じなんじゃないか。
丁寧に冷静に言い聞かせてみても、伝わっているのか、よくわからない。
くどくど言ってしまうのは、却ってよくないのではないか。。。
Aさんは、モヤモヤをひとしきり話してくれた。
すごく大事なモヤモヤだと思った。
「ダメ」っていう言葉じゃなくて、違う言葉で言い換えても、結局やっていることは同じなんじゃないか。
話の中で、この部分が気になった。
Aさんがちょっと生き生きしたのだ。
言葉が違っても、やっていることが同じなら、意味がない。
それじゃあ、大事なのは、言葉じゃなくて、その言葉を使って何をしようとしているか?っていうことなんだね。
そんなことを確認した。
子どもに対する『声かけ』を変えると、子育てがうまくいく、というような本や記事をたくさん見かける。
子どもにとっていいことをしたいのが親の願いだから、そう書かれているとそうした方がいいと思ってしまう。
でも、実際やってみると、しっくり来ないということも、よくあることだ。
わたしは個人的に、やり方だけを知ってもあまり役に立たないと思っている。
「ダメ」って言わないようにする、というやり方を知って、「ダメ」って言わない子育てをしてみても、しっくり来ないという風に。
Aさんは、その後話していくうちに、”ダメ”にも2種類あることを見つけた。
子どもにとって必要な”ダメ”と、親の都合や感情からの”ダメ”があって、前者であれば、「ダメ」という言葉もわるくないのではないか。
そう思うと、「ダメだよ」でも「やめてね」でも「いけないよ」でも、どう言い換えてもOKな気がする。
一方で、親の都合や感情で「ダメ!」と言ってしまう時、後ろめたさのようなものが残る気がする。力で押さえつけたような嫌な感じがしてしまうんだと思う。そういう時、くどくど言ってしまいがちかも。
そんなことを発見して、元気になっていくのが見えた。
必要な”ダメ”は迷いなく伝えたらいい。
ダメって言われたら泣いちゃうかもしれないけど、その「泣きたい気持ち」に寄り添って、子どもが”ダメ”を受け入れられるように、一緒に乗り越えられたらいい。
親の都合や感情で言いたくなる”ダメ”については、自分を見つめるチャンスになる。
それって本当にダメなことなのかな?
どうして”ダメ”って言いたくなるんだろう?
何か思い込んでることはないかな?
そんな風に見つめていくことで、自分を自由にしてあげるチャンスになることがある。
(子どもにダメって言いたくなることは、自分にも禁止していることが多い。もし必要のない禁止事項だとしたら、この際自由になってみることもできる)
または、親子の間で落としどころを見つける練習にもなる。
「わたしはやめて欲しいんだけど、あなたはやりたいのよね…?」「じゃあ○回だけね」とか「その代わりにこれはどう?」とか、できることはいろいろありそう。
親の都合や感情であっても、ダメって伝えたいこともある。
よそのお母さんはいいって言うかもしれないけど、うちはダメだから、みたいな。
そんなことを共有して、Aさんは「なんだかスッキリしました〜」とニコニコして、その日の相談は終わりになった。
自分が感じていたことの正体がクリアになるのって、嬉しいよね。
そこには、正しいとか間違っているとかがなくて、ただ「だとしたら、わたしはどうしたい?」という広がりがあるものね。
今回は「”ダメ”って言っちゃダメか?問題」だったけど、こんな風に、モヤモヤすることがある時は、自分の軸を確認するチャンスになる。
「やり方」と「在り方」は表裏一体なので、やり方にモヤる時は、在り方に立ち戻ってみるといい。
「こうする(言う)ことでわたしは何をしたいのかな?どんなことを叶えようとしてるのかな?」って、見つめてみると、したい子育てがクリアになっていくよね。
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