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思春期「どうせわかってもらえない」のこっち側と向こう側

うちには高校生の娘がいて、思春期も後半というか、ベテランというか、かれこれ6〜7年思春期している感がある。

思春期初期(5年生〜中学生の頃)は、訳もわからずイライラして、イライラしすぎて泣く、とか、モヤモヤを持て余して八つ当たりする、という感じで、娘自身もそんな自分に困っているのがわかって、だから、わたしの役目としては、「あなたに起きていることは、自然なことで、心配ないよ」ということや、「そうしたくてしている訳じゃないってわかってるよ」ということを伝えて、娘が思う存分思春期できるようにゆったり見守ることが中心だった。(もちろん、イラッとすることも動揺することもたくさんあったよ…。それもありつつ、親として踏ん張っていたなぁと思う)

思春期も終盤の今は、だいぶ話せるようになっていて、不穏な空気が流れた時には(それは日常的なことだけれど)、必要に応じて話す時間を作れている。「何にどんな風に反応したか」とか「自分はこう感じた(受け取った)のだけれど、実際どうなのか」とか話す。そのお陰で、思い込みや誤解を解いて、お互いに理解し合える(またはしようとしている)感じ、起きること全てにOKしている感じ、根っこでは繋がっている感覚に戻って来られるので、安心感がある。
そして、そんな風にひととの間に起きることを扱えるようになるのは、娘のこれからの人生において、大きな財産になるだろうと思っている。

思春期はたくさんの揺らぎがあって、何かと不安になったり疑いを持ったり、反発したくなったり、ひとりになりたかったり、でもひとりぼっちは嫌だったり、そんなごちゃごちゃな時期だ。
親がどーんと構えていてくれたら、子どもは安心して必要なだけ揺れていられる訳だけど、親は親で、更年期だったり、子どもの様子に動揺したりして、結構大変だ。

わたし個人的なことを言うと、わたしは娘が「どうせわかってもらえない」みたいな空気を出してくる(というか、漏れてくるのだろう)時、とってもザワザワする。
「どうせわかってもらえない」と思って言わないんだな、と感じると、「え!!??こっちは、めっちゃわかろうとしてるんですけど????」と怒りたくなる。

そんな思春期娘と更年期母なわたしたちなんだけど…
先日のこと。娘に対して、モヤっとすることがあって、「ちょっと、その言い方はおかしくない?」と咎めたのだけれど、娘は何のことを言われたのかよくわかっていなくて、わたしは更に説明するために「だから…」と言いかけたのだけれど、急に面倒くさくなって言うのをやめてしまった、ということがあった。
遠出をして帰ってきたところで疲れていたし、早く着替えてホッとしたい、という状況だった。(娘は家にいて留守番していた)
急に面倒になって、言うのをやめて、「まぁいいわ」と言い残して自室に引き上げると、娘が追いかけてきて「何なの?言いかけてやめられたら気になるんだけど!」と言ってきた。

それで、まぁ、結局話をしたんだけど、話しながら気づいたのは、わたしは、急に面倒になって言うのをやめたというのもあったけど、咎められた娘の反応が”きょとん”とした感じのものだったから、何らかの意図(含み?)があっておかしな言い方をしたのではなく、”たまたまそういう風に聴こえてしまった”という類の話なんだろうと感じて、「これ以上話さなくてもいいか(早く着替えたいし)」と勝手に結論づけていたのだとわかった。

そんな風に話しているうちに、娘も、「ママが帰ってきた時、やっていたことがあったから、そっちに気を取られてて、言い方が雑になっていたかも」と振り返って、お互いに腑に落ちたというか、おさまりどころを見つけた感じになった。
(そうなのよね、ちゃんと話せば、ちゃんと着地するのよね。お互い、不愉快な思いをしたい訳じゃないんだし、家の中が平和で安心なのが好きなのだから)

でね。
誤解やわだかまりを残すことなく、話せてスッキリ!となった後で、娘が「わたしが”どうせわかってもらえないし”って思って言うのやめると、ママ怒るじゃない?その気持ち、さっきすごくわかった」と言った。
「言いたいこと、言ってもらえないのって、すごく嫌な感じ。言ってもらえないとわかんないし。こっちはわかろうとしてるのに!って思った」「この感じがわかってよかったわ〜。なるべくちゃんと話そうって思った!」と、ちょっとウキウキなくらいスッキリした様子✨

棚ぼたというか、思わぬ気づき💡があったようで、面倒になって言うのをやめるっていうのも、たまにはいいのかもって思った。いやいや、単純に、起きていることを丁寧に体験すると、いいことがあるっていうことか。

ちなみに、わたしの側にも気づき💡があった。
「どうせわかってもらえない」というほどの諦めがなくても、「ちょっと説明するの面倒くさいな」とか、「言葉にするのが難しくて今は言えない」とかいう事情で、言うのをやめることもあるね、っていうこと。
娘が言葉を飲み込む時、瞬時にわたしに起きるのが、「どうせわかってもらえないって思ってるんでしょ!」っていう怒り(あまりにも悲しくて怒る)なんだな。
言うのをやめる理由が様々なことは、考えれてみればわかることだし、普段はわかっているつもりなんだけど、相手が娘で、大事な話をしているという場面では、わからなくなってしまうんだねぇ。

「どうせわかってもらえない」のこっち側と向こう側で、ささやかながら変化が起きている。これからどんな感じになるか、ちょっと楽しみ。


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