聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥

“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥“は、みなさんもご存知の通りの諺です。

 古くから伝わる言葉には、学ぶべき知識がたくさん込められております。
 
 長い年月をかけて、人々が経験してきたことに基づいて伝え残してきたものですから、それだけ私たち人間にとってたいへん学ぶべきことが多いものになっているのです。
 
 さて、この“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥“という言葉は、「自分が知らないということを恥として人に聞かないままでいては、その後の人生において物事を知ることができず、かえって恥を抱えたままになる」という意味を持っていることはどなたでも知っていることでしょう。
 
 こうして書いてみると、なにやら仰々しく感じてしまいますが、要は「知らないということを恥ずかしがってはぐらかしているより、人に尋ねて覚えてしまったほうが、後々のことを考えると大切ですよ」という教えです。

 非常にシンプルな考えですが、私たちは物事をしっかりと知る必要性があるということを痛感するのではないでしょうか。
 
 今回は、この“わかったふり“がキーワードになります。これは、誰しもが、知らず知らずのうちに犯してしまう過ちだと思います。
 
“わかったふり“と“知ったかぶり“。ほぼ同じ意味を持つこのふたつの言葉ですが、ここではそれをさらに掘り下げ、“わかったふり“をしているとどんなことが起きてしまうのか、また知識というものがいったいどういうもので、私たちに何をもたらしてくれるのか、考察していきます。
 
 前述のとおり、“知ったかぶり“、つまり“わかったふり“はすぐに見破られてしまうものです。

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