仕事がつらい人のための気づき
思い込みの弊害
思い込みはある考えに固執し、それが真実だと信じ込んでいる状態です。よい人間関係を築いていくうえでの思い込みの障害についてお話をしたいと思います。
まず、人間はなぜ自分でもよく分からないうちに“思い込み”をしてしまうのでしょうか?
“思い込み”には、お酒のように頭を麻痺させる作用があります。根拠のない事柄でも、我の強さや柔軟に考えられない頑固な性格や、親や周囲からの刷り込みなどによって強く思い込むことで、“考える”という行為をしなくなってしまいます。
考えるという行為は、ともすれば大変な作業でもあります。自分の物差しではなく、できるだけ客観的な物差しで俯瞰して考えなければ、本当に考えているとは言えないと思います。考えるというのは、想像力と忍耐力のいる行為です。思い込んでしまえば、この“考える”という大変な行為をしなくても、簡単に結論を出すことができます。ですから、ついつい自分でも無意識のうちに、“思い込み”をくり返してしまうのです。
しかし、そのような安心はそのときだけのもの、刹那的な安心に過ぎません。むしろ長い目で見ると、刹那的な安心というのは、その後さまざまな問題や困難に結びついてしまうのです。
“思い込み”により人間関係がうまくいかなくなってしまうことも多々あるのがこの世の中なのです。
人間関係というのは、当然のことながら自分だけではなく相手あってのことです。ですが、“思い込み”は自分の物差しだけを判断基準に、相手にもその意見を押しつけてしまいます。これでは人間関係がうまくいくはずありません。
人間関係の悩みは多くの方が抱えている問題です。私のところにご相談に来る方の多くも、職場や家族、友人や恋人など関係性はさまざまではありますが、やはりこの人間関係の悩みを抱えています。その問題を解決して乗り越えていくには、思い込みからの脱却が必要なのです。
それでは、人間関係がうまくいかない原因が、なぜ“思い込み”にあるのかということを、具体的にご説明していきたいと思います。
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