賀茂社―上賀茂神社・下鴨神社 (日本の古社)
「日本の古社」シリーズの一冊。上賀茂神社、下鴨神社というが、これは一つの社、賀茂社の上社と下社です。
この本には、両社の写真と、エッセイ、祭礼や建築に関する研究者の寄稿、両社の祭礼、宝物の解説、近隣の観光ガイドがおさめられています。
神社は、お寺以上に中の中まで入ることは難しい。下鴨も上賀茂も何度も行きましたが(下鴨では結婚式まで挙げましたが)、見たことのない場所のほうが多いと思います。そんな神社の様々な場所、神事の様子をおさめた美しい写真は見ごたえがあります。また、神社の宝物の写真と解説も見所です。
実際の観光の参考として、手っ取り早く情報を得るために読むには、いろいろなコンテンツがいっしょくたになっているので、少しとっちらかった印象があるかもしれません。作家らによる思い入れたっぷりの文章を楽しんだり、写真を眺めたり、次行ったときは焼きもち食べようかなとか計画を練ったり、パラパラと眺めて楽しむ本です。
いろいろな人が文中で言及している、歌人として優れていたという斎院、式子内親王に興味がわきました。京都のことを調べていると、日本の歴史や文学など、いろいろなことが数珠つなぎでつながり、どんどん脇道に引きずり込まれていくのが楽しいです。
萩原朔太郎が「恋愛名歌集」の中で、式子内親王に言及しているようです。
2019/06/10