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シワもシミも痛い腰も肩も幸せの延長上。

自分がおばさんになったな、と思ったのは、40を越えてからだろうか。30代はまだ若いつもりでいれた。シミが目立つようになって、まず老化を感じた。その後には目が垂れてきて、最近は目の下の小じわが刻まれるようになってきて、若い頃のそれとは顔面が明らかに変形してきた。流石に年齢を隠せない。

若い頃から知っている同年代のモデルさんを見ても、歳をとったなと思う。あの美しい人たちの代表選手モデルさんたちであっても歳はとる。そう思うと少し安心したりする。

20代の頃、田舎に帰ると、近所のおばちゃんやおばあちゃんらが集まると、体の故障の話ばかりしていたのを聞いて、気が滅入ったものだけど、自分も見事にそうなりつつあることを実感している。

腰が痛い、肩が痛い、耳鳴りが治らない、マッサージに行くたび、酷い硬いを連呼され、最初は凹んでたけど、もう最近は笑えてきて、ごめんなさーいって謝ることにしている。内心では、もう聞き飽きたのでとにかく揉んでください。仕事してください。って吠えている。

これは、言わずにいられないよね。友達に会ったら、愚痴るよね。そう、わたしはきっと、若い頃、おばちゃんらのそんな会話を耳にしていただけのことだった。もう少し年齢が上がると、脳梗塞で、とか膝の手術でとか、レベルがぐんぐん上がる。

歳とるっていやね、よく患者さんやらお年寄りから聞いたセリフ、言いたくなるわ。ほんと。

だけどね、年齢は重ねても心は28歳くらいでとまってる。大人になっている実感はあまりない。経験だけは増えていくけど、対して成長もしていない。楽しいことやワクワクすることの基準は変わらない。

4歳娘がターザンロープにつかまれば、わたしもつかまってウェーイってやりたい。だけど着地で膝やっちゃいそうだからやらない。陽気な音楽がかかれば全力で踊りたい。けどちょっと頭がふらっとしたりする。かっこいい俳優さんが大好きだけど、いつの間にか年齢差がひとまわり以上離れていて、お母さんがファンのレベルで愕然とする。そんな歳にいつの間にかなってしまって、いろんなことが堂々とできなくなった。翼の羽がどんどんもげてく。

でもね、歳をとってよかったこともある。物質的なものを求めなくても心の平和が築けるようになった。ブランドをもたなくても流行りのものを着ていなくても自分の好きなものに囲まれて、自分の似合うものを身につけていることが心の安心につながる。高価な料理や、珍しいものを食べ歩きしなくても、自分の体に合ったものを知り、食べること、それがいかに美味しくて体が楽になるかを知った。好きな人、大事に思ってくれる人を大切にすることが第一で、自分と合わない人、傷つける人とは距離を置けるし嫌われても良いんだと思えるようになったこと。

これ全部、歳をとるうちに、体得していったこと。シミもしわも増えた。体重もなかなか減らないのに、お酒もご飯もおいしい。肩も腰も痛いけど、子どもを抱っこする喜びは何にも代え難い狂おしく幸せなこと。

人生は幸せになるためにある。どっかでよく聞くようなセリフ。あながち間違ってはいないんだな。



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