山村実先生と卒業生たち〜青陽東絵画教室30年の軌跡〜

『青陽東養護学校絵画教室について』
神戸市立青陽東養護学校(現在は青陽東高等学校)の卒業生たちが集う絵画教室です。
主催は山村実(やまむらみのる)先生。
先生自身も長く青陽東養護学校の教諭として勤めておられました。土曜日の美術室を卒業生と保護者に開放されています。
「放課後や休日の美術室の活用としてのモデルケースになれば。」と実先生は仰います。
実先生が30年以上にわたり続けてこられたからこその安心と信頼がここにはあります。
その安心感の中で生徒さん達の感性は引き出されてきました。中には、海外に作品を出展する生徒さんもおられます。我が子の「好き」を全力で応援し、支え、花を咲かせたお母様のお話に心が震えます。

「〝子どもに障がいがあるから、私がなんとかしなくては。これでは働きにでることも出来ないのだ。〟と親子が離れずに生きていくことは子どもを不幸にしてしまうのではと気付きました。
大切なのは、親がいなくても子が自分で生きていく自信を身につけてあげること。ただそっと見守っていようと思います。

〝障がいがある子どもの親として、私はこうでなければならない。〟ではなく、〝私の人生の一つとして障がいをもつ子どもがいる。〟と考えています。」

お話を聞きながら、何度も涙が溢れそうになります。

「現在40歳になる息子は700gで生まれました。
なんとか命は助かりましたが、視力がなくなりました。たくさんのコードにつながれている小さな我が子を見て、医者に話を聞きたかったけれども、次の日には担当医が代わっていました。
後に「医療ミス」の可能性があがってきたけれども、その時の私には裁判を起こすエネルギーもありませんでした。その日その日を、先ずは息子の命を繋がなくてはならない。700gの息子に絞ったお乳を哺乳瓶に入れて与えますが、少し飲んではお腹がぱんぱんに膨れるのです。水分が蒸発すると、体重は500gになりました。」

壮絶な生い立ちを聞きながら、涙を堪えきれなくなるのです。

そうして目の前の生徒さん達の軌跡を辿る時、
1人ひとりが奇跡であると感じるのです。
この方たちとの出会いを育てていきたいと
感じるのです。


        大人の図工塾管理人 米光智恵

過去の記事はこちら↓
https://note.com/chiemaru7/n/nc80ed6d72315
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