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鉄は鉄をもって 人はその友によって〜ハンドパンから得た気づき〜

「鉄は鉄をもって研磨する。人はその友によって研磨される。」(箴言27章17節)

最近ハンドパンの演奏を始めてから、「鉄」という素材にアンテナを向けるようになった。

人間にとって優しい素材を順番に並べるとこうだ。
(いろんな素材があるけれど、今日は3つ並べてみる。)

①「土」なら向こうから人に馴染んでくれる。
②「木」ならこっちから波長を合わせる。
③「鉄」に波長を合わせようとするものなら
  何年かかるか分からない。

鉄を人間関係に捉えた聖書のみことば。
この素材と仲良くなることは
コミュニケーション力を高めることに
繋がるのかもしれない。

今朝、ハンドパンの作業工程を見て鳥肌が立った。
鉄を打つ。研磨する。釜で焼く。調律する。
この楽器は新世紀の工芸作品なのだ。

新世紀といいながらも、音色に歴史を感じるのは、
以下のような背景があるからだ。

世界中のストリートで生まれたジャンクアート。
廃棄された鍋やヤカン、ゴミ箱といったジャンク日用品を奏でていた人たちは、駅構内や路上を舞台とし、
表現し続けた。自分を満たすためだけに奏でていた音楽はやがて、多くの人々に届けるための音色やリズムとなっていった。ある国では会話の手段に、またある国では冠婚葬祭の儀式に。踊りと歌が加えられ、それは神へ捧げる讃美になった。これらの歴史とアフリカのツボドラム(ウドゥ)がヒントになった経緯があり、ハンドパンは誕生した。

改めて素晴らしいアイデアだと思う。

〝この職人さんたちの想いを受け継いで奏でている〟

と思うと、すごい責任を感じる今日この頃。


どんな素材も手にとったその日から、
友となり恋人となり、家族になっていくのだろう。
真剣に向き合えば、応えてくれるのだろう。
我が子のように愛で、育てれば、
喜びを分かち合えるのだろう。

ハンドパンが与えてくれた尊い気づき。

                 米光智恵

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