熟田津の風か宙切る夏燕
2泊3日で松山道後温泉へ行った。初めての松山旅行。東京の天気は悪かったが、こちらは気持ちの良い晴天。雨おんななのに、ありがたい。
道後温泉は、その昔に額田王が、
熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
と詠んだ縁の地とのこと。
熟田津(にきたづ)とは、道後温泉付近の船着場を指すらしい。
実際には海までは遠くも感じるが、この日は心地よい風が吹いていた。写真はその街道沿いにある酒蔵仁喜多津さんの暖簾。道後ビールなども作っている地元の造り酒屋さんだった。
実は、この旅行では、「松山はいく」という現地のツアーに旅行直前に申し込んで、大変お世話になりました。このツアーのゴール地点がこの酒屋さん。自分の俳句を日本酒の小瓶のラベルに仕上げて終了という趣向。粋ですね。
句は、途中通った、道後温泉椿の湯の脇にあった蜷川実花さんのインスタレーションを詠みこみたかったが、推敲足りず。旅の恥はかき捨て的な一句。実椿は初秋の季語だけど、近くの椿の木に早くも実がついていたので、入れました。
短いツアーでしたが、松山の地と自分の橋渡しをしてもらえたようで、嬉しかった。
翌日は、松山旅行で行きたかったところの一つである、子規記念館。文字通り、子規の生い立ちから作品までずずっとある。
今月の一句が記念館に掲げてあった。
とげ赤し葉赤し薔薇の枝若し 子規
瑞々しい初夏の薔薇の様子が眼前に浮かぶよう。やっぱりすごい!
そして、なんと夜、旅館の中の小川には螢が。だんだん夏になっていく。
教えればぷうんと離れ初螢
おまけは、松山銘菓一六タルト
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