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独学だけでいきなり留学、1989年4月上海

前回の続き


帰国後、とりあえずNHK語学講座


初めての中国招待旅行から帰国後、上海熱が更に酷くなり
一定期間住んでみたい→留学への欲望が沸々を沸き
一年後に留学を目標にして準備を始めました。
インターネットが未だ登場する前の80年代終盤、
中国語の勉強について、殆ど情報が無い状態でしたが、
書店に並ぶNHKの中国語講座テキストを購入し、
1988年4月から視聴開始。
発音の基礎から始めました。
NHKの語学講座は、一番安く語学の勉強を始める方法です。
テキスト代は月数百円なので、いつでも止めてもいいやと、
ハードルが低いところから始めました。

ラジオ講座を録音して移動中に聴き、
並行してテレビ講座も視聴。
テレビの中国語講座内で、夏休み旅行会話特集があり、
例文を丸暗記する感じで覚えました。
NHKテレビ中国語講座の寸劇で登場する俳優さんが気になり
彼がいつ出演するのか楽しみでした。
好きな俳優さんにハマるのも、語学番組を続けるモチベーションになります。

後に映画に詳しい友人に、
「NHK中国語講座は修健目当てで見た〜」と言うと
「それはあるある〜有名だよ」と言われました。

NHK語学講座テキストの広告を見ると、参考書や留学の情報が記載されており
ゼロから少しずつ情報を掴んで行きました。
当時は学校には通わず、語学講座だけの独学で勉強しました。

しかし独学だと発音の「si」「shi」「xi」違いなどが分らず、
台湾人留学生女性宅に押しかけて、
発音の特訓をして頂きました。

当時は映画「ラストエンペラー」が劇場公開され、
中国への関心が少しずつ高くなった頃ですが、
情報は断片的で、自分の中国へのイメージも断片的でした。


上海に出発〜中国語が分からない!!

1989年4月1日、成田発中国東方航空便で、上海に出発。
前年の日航機に乗って高級ホテル宿泊の招待旅行とはかなり違いましたが、
上海に生活をしに行くのだと、感無量。
初めての海外生活。
しかし外国人向け留学生寮の生活とはいえ、
海外で暮らすという事が事前に想定ができておらず、早速色々な問題に当たりました。

最初の難問は「中国語が分からない
日本では独学のみ。中国語を話す機会は皆無のまま、いきなり留学。
最初に留学した学校は日本人が割と多い、外国語大学でしたが、
それでも一人で何かをする場合は、中国語は必要。
今思うと、素振りの練習だけで野球の試合に出て撃沈?

授業開始前に小テストを受け
初心者なので一番下かと思ったら、何故か下から二番目に
割り振られました。
NHK中国語講座効果?と関心しつつ、
中国語を中国語で説明する授業に撃沈しました。
クラスメートは日本人大学生の他、米国人、オーストラリア人とイタリア人。
日本語以外のコミュニケーション手段を獲得しないとキツイ。
米国人の男の子はいきなり「き〜が〜くるいそ〜」と歌い出すし
何なのこのクラス?
大学生の男性が教えたらしいですが、多分意味は分かってない。

中国語だけでなく、日本人留学生の会話も分からない?
「⚪︎⚪︎さんったら、常常(changchang)旅行に行っていて、学校にいないんですよ。非常厉害(feichang lihai)ですね。」
この様な日本語と中国語を混ぜた日常的な会話についていけず、
日本語ですら、何を話しているのか分からない?

当時の中国はまだ社会主義色が濃く、
スーパーの様な自由に商品を選べるお店はほとんどなく
買い物をする時は、店員(服務員)さんに商品を取ってもらい
別のカウンターで支払いと、
会話ができないと買い物一つできません
留学生寮の食事も、希望のおかずを伝えないと、
食べる事が出来ません。

とにかく中国語が分からないと何も出来ないので、
最初の頃は毎日分からない箇所
(当時は何が分からないかすら分からず、全て分からないのですが)を
夜遅くまでガリガリ勉強しました。
当時手頃な参考書はなかったので、教科書で分からない箇所は
辞書で調べまくって、語彙を少しずつ増やしていきました。

最初に買った中国語の辞書。簡約版と言われましたが、
当時の自分には十分でした。

この学校は西側諸国出身の学生が主でしたが、
本科専攻の北朝鮮の学生のグループもいました。
ジャージを着てメガネをかけている男性だと、パッと見日本人?
うっかり、「おはよ〜」と声をかけたら、睨まれちゃいました。

最初の1ヶ月は、街歩きはあまりせず、勉強モードだった理由は、
想定外に寒すぎた事もあります。
上海の緯度は九州南部と同じと言われており、温暖なのかと思いきや
4月の上海はとても寒かったです。

外出が億劫なほど寒く、ガリガリ勉強をしたせいか、
3週間後くらいから、授業が聞き取れる様になりました。やった!!


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