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「脳を最適化すれば能力は2倍になる」精神科医・樺沢紫苑著 を読んで


社会人としての私

以前の私は、宵っ張りの生活をしていて、連続した夜の睡眠時間を十分取れていませんでした。朝には弱く、午前中はぼーっとしていました。

ところが、朝が一番集中できると、本に書かれており、日本のビジネスマンは多くが時間を無駄にしていると明言。

思い返せば、私が携わっている幼児教育業界でも、お子さんの集中力は午前が一番だとされており、現場で日々実感していたのですが、大人でもあてはまるなと実感するきっかけとなりました。

「朝寝坊の人はたまたま朝寝坊なわけではありません。そうなる生活習慣をしているから必然的に起きられないのです」(P.183)

脳を最適化すれば能力は2倍になる  脳内物質で仕事の精度と速度を上げる方法(樺沢紫苑)

この言葉にハッとさせられました。また、著者の樺沢先生も以前は夜型だったことに親近感を感じ、生活を整えられたことが書かれていたことが、私も整えてみようと思えました。

夜寝る前は、パソコンやスマホを控えて、読書に時間を与えることで、メラトニンを刺激し、寝つきがよいように変えていきました。するとリラックス効果もありました。

また、朝はすぐにカーテンを開けて、洗濯をしてなるべく日光を浴びながら干すようにしました。それまでの私は夜に洗濯をしていました。朝のお日様は気持ちがよく、やる気が出てきます。まさにセロトニンパワーを感じ、朝に洗濯したくてしょうがないと思うようになりました。

習慣って大事です。今後とも、自分の生活を整えていき、仕事の精度と速度を上げていきたいと思います。

幼児教育のプロとしての気づき

ここからは、幼児教育(私の専門はモンテッソーリ教育)や、子どもの接し方で大切だと思った気づきを書きます。

①ドーパミン

人は「これと全く同じ方法でやりなさい」と言われると、やる気が出ません。

P.80

モンテッソーリ教育の教師として、幼児さんと、本人が選んだ手仕事を一緒にするのが職業です。幼児期のお子さんは、模倣をすることで能力を身に付けますが、自分で一工夫加えたり、ちょっと難しいことにチャレンジすることが大好きなのですが、ドーパミンと関連していることが分かり、納得しました。「ちょい難」に挑戦するのもお子さんは好きなので、サポートしていきたいと思います。

②ノルアドレナリン

ノルアドレナリン型の指導、つまり「叱る」型の指導は、長期では絶対にうまくいきません。それどころか、無気力な人間を作ってしまいます。

P.116

叱られることを回避する働きのノルアドレナリンは、ごく短期間でしか作用しないとのこと。ここぞという時を見計らって、きちんと指導する(叱る)ことが大事なのは、脳内物質の働きで説明できるわけですね。普段からささいなことで叱っていると、大事な場面で効果がなくなるから要注意だと思いを新たにしました。

③アドレナリン


大きな声を出して叫ぶことで、脳に刺激が与えられ、アドレナリンが分泌されます。これは、何かの運動や作業に取り掛かるときに、「頑張るぞ!」「おー!」とか「はーい!」と声を出すときに有効だなと思いました。

ただし、小さいお子さんの場合は、アドレナリンが出すぎて興奮状態にならないよう、ゆったり過ごしたり、休養をとったりする、「オフにする習慣」(P.160)のほうが大事かも。

④セロトニン


小さいお子さんの場合は、午前中のお散歩や外遊びなどの運動が本当に大切。音読の効果も書かれていましたが、教室では幼児さんとの論語の素読も行っており、声を出すと気持ちがしゃきっとします。

⑤メラトニン


赤ちゃん~幼児期には、本に書かれている「快適な眠り」を与えてくれる7つの習慣を、寝かしつけ時に意識すると、寝つきがよくなると思います。

  • 部屋を真っ暗にして眠る

  • 入眠前に薄暗い部屋でリラックスする

  • 入眠前に蛍光灯(青色灯)の光を浴びない

  • 深夜のコンビニに行かない

  • 入眠前にスマホやゲーム、パソコンをしない

  • 日中のセロトニンの活性化

  • 朝、太陽の光を浴びる

中高生でも良い睡眠のために、大事ですね。

⑥アセチルコリン

「やる気が出ないから、とりあえず始める」というのが、脳科学的には正しいモチベーションアップの方法です。

P.260

作業を始めてみると、だんだん気分が盛り上がってやる気が出てくることを、心理学者クレペリンは「作業興奮」と呼びました。

小学生低学年の宿題がまさにこれで、とりあえずやってみるところを声がけする。親が一緒に机に向かうことの、大切さを再確認しました。

⑦エンドルフィン

楽しい経験で分泌されるエンドルフィンには、以下の効果が。

  1. ストレス解消

  2. 記憶力アップ

  3. 想像力アップ

  4. 集中力・注意力アップ

「非常に苦しい体験」か「非常に心地よい体験」をしたときのどちらかが脳に深く刻まれる、とのこと。

これは、幼児期なら親や愛着関係のある園の先生などと、楽しい体験をする中で、知った言葉をよく覚えていることと関係があるなと思いました。

あたたかい雰囲気の中で、見た季節の植物や生き物の名前や、「きれいだね」「楽しいね」と言った会話は本当によく覚えているので、穏やかな時間でたくさんの声がけが大事ですし、先生としてもいろんな言葉をかけていきたいなと思いました。

以上、社会人としての私と、教師としての私に、科学的示唆がありました。これは私なりに心に留まった部分ですが、人によりピンとくる部分は違うと思います。今よりもっと仕事の精度や速度を上げたい!というすべての方におすすめの一冊です。


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