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女性が働くことについてゆるゆると考えた

ここ数か月、女性が働くことについてゆるゆると考えていた。

何冊かの印象的な本に出会って、それぞれの本から得た発見、新しい思考が、ある程度まとまりをもって自分の中に落ち着いた感じがするので、文章にして整理しておきたいなと思う。

1.濱口桂一郎「働く女子の運命について」

今回の文章にどんぴしゃなタイトルな本だけど、本屋に並んでいても多分自分からは手に取っていなかったなと思う。

付き合い始めて間もなかった恋人の積読に入っていて、男の人なのにこれを選んで買ったんだなぁと興味深くて、先に読ませてもらった。

総合職とか一般職とか、自分でコントロールできない時間、場所とか、、、ずっともやもやしていた違和感が明文化されていて、新しいことを知ったというよりは、頭がクリアになった感じ。

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・ 日本の職場ではそもそも男女はあまり仕事が分かれていない。しかし、ある一時点のスナップショットでは似たような仕事をしている男女が、長期的には全然異なるキャリアになっている。人の処遇がジョブ(職務内容)ではなく、コース(総合職・一般職)で分かれているから。

・ 企業が求めているのは、数十年にわたって忠誠心を持って働き続けられるかという能力。どんな長時間労働でも、どんな遠方への転勤でも喜んで受け入れられるかという態度。

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中央官庁の公務員という仕事を辞めたいと上司に言った時、育休も時短勤務も最大限活用できて、こんなに女性に働きやすい職場は他にない、もったいないと言われた。

でも、ここでの仕事の第一線は、時間・場所を捧げた人にしか務まらないようになっているから、家庭生活に重きを置いて、自分が一線で働いていないことに引け目を感じながら働くのは絶対に嫌だと思った。


2.山本典正「ものづくりの理想郷」

こちらは、地方の中小企業に転職したいなと考えながら、ブックオフで目に留まったもの。

大企業ではなく中小企業だからこその豊かさについて、とても面白く読んだのだけれど、今回のテーマに関連しては、「ワークライフバランス」という言葉の意味にはっとした部分。

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ワークライフバランスは、仕事の量を減らして人生を楽しもうという前提で語られている。仕事は辛いものであり、人生の楽しみを邪魔するものと考えているから。

本当のワークライフバランスは、働いている時間も含めて、常に輝いた時間を送ること。

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こうして書いてみると、当たり前のことだなぁとも思うけど、この当たり前をきちんと捉えられていなかったなと思う。

新卒で就活をした時も、仕事をとおして人生を楽しもう、というよりは、福利厚生がしっかりしていて、自分の時間をとれるところがいいと思っていたし。

こんな姿勢で働き始めた私なのに、結局は激務でも濃い仕事を求めてしまうし、職種も転向してしまうし、仕事はお金を得る手段だなんて割り切れない。

仕事が楽しくないのに楽しい人生なんて多分なくて。

仕事、家族との時間、自分の趣味、どれも全力で楽しんで、時には、それぞれが侵食し合うことも許容しながら、その時々のベストなバランスを見つける努力を怠らないということなんだと思う。ワークライフバランス。


3.シェリル・サンドバーグ「LEAN IN」

こちらもブックオフにて発見。新刊書店ではもう取り扱っていなかったり、埋もれて見えづらかったりする、少し古い本たちが、ブックオフでは皆平等に並んでいるのがよい。

大型のブックオフでどっさり本を抱えるのが大好きなのに、最近どんどん閉店してしまって、本当に寂しい。。。

話を元に戻すと、FacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグによる「LEAN IN」からは、鈍感な私が無視して生きていた、女性の生きづらさについての多くの気づきと、そんな世界の中でも自分自身で積極的に人生を切り開いていくことへの勇気を得た。

人によるとは思うけど、無視できてしまう女性の生きづらさ。それは、気づかないところで私の思考回路をゆがめて、気づかないうちに自分の選択肢を狭めてしまっている。

子供ができる予定もないうちから、子供ができて仕事をセーブすることを前提に仕事を選んだり、チャレンジングな仕事は避けてしまったり。

穏やかで母性的な女性の理想像を持っていて、そこから外れることは、女性として大切なものを捨てているように見えてしまったり。

女性は基本的に優しいというデフォルメから、求める水準、評価の基準が男性と違っていたり。

この本は、性別関係なくたくさんの人に読んでほしいなと思う。

こんな内容は慣れ親しんでいるよ、という女性も多いと思う。でも、女性である他でもない自分が、他の女性の足を引っ張っているかも、、、?となるかもしれない。私はなった。


それから、女性は自分の仕事の成功を低く見積もる傾向があるという内容にも、なるほど~と大きく頷いた。

男性に成功の理由を聞くと、自分の資質や能力のおかげと答えることが多い一方、女性は「努力したから」「幸運だったから」「多くの人に助けられたから」と外に原因を求めがちとのこと。

このような考え方でいることが必ずしも悪い訳ではないけれど、自分自身の力に自信を持っていないと、背伸びしてやってみようという活力が湧いてこない。

男性のリーダーが多いことは、社会的な要因ばかりでなく、女性が相対的に控えめいうこともあったのか。自分の素質に自信があれば、今の実力が足りていなくても、手を挙げられるから。

自信を持っているか否かは、一朝一夕に変化することではないけれど、今の自分は過度に控えめになっていないかなと、たまに自分に問いかけてあげたい。

4.榛野 なな恵「Papa told me」

ネットで無料で読める期間に読んだのだけれど、あんまり素敵だったので、少しずつ全巻集めたいなと思っている。

幸せの型をつくって当てはめたがる世の中で、主人公で小学生の知世ちゃん(名前もとても好き)のませているけど真っ直ぐな言葉が、とにかくかっこいい。

働く女性に何度もスポットを当てていて、切なくて、でも痛快で。

宝物を見つけたような気分になった漫画でした。

いざ書いてみると、テーマの大きさに対して不釣り合いな、ばらばらな文章になってしまったけど、未完成なまま、今のところはこのままで。

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