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海外の学習者に「日本の日本語学校に行きたい」と言われたらどこを勧める?

日本の日本語学校って、どこがいいの?

海外で教えていると、「日本で日本語を勉強したい、日本語学校に留学したい」と相談されることがあります。海外から日本に留学して、初めての学校になることが多い日本語学校。決めるのは本人だとしても、いい選択肢をいくつか教えてあげたいですよね。

そこで、私が日本語学校を勧めるときにチェックすることを並べてみました。その日本語学校のウェブサイトを見るときにどんなところを見ているか紹介します。

とりあえずネット検索

大学であれば、JPSSなど留学先を一括で調べられるサイトがありますが、日本語学校はどうもそうではないみたいです。日本語学校を調べるとしたら、「日本語学校+地域」などでGoogle検索するぐらいしか思いつきません。もし、いいまとめサイトや検索できるサイトがあれば教えてほしいです。

所在地

まずは、どこにあるかですね。東京と大阪に日本語学校は多いですが、物価や住居のことを考えると実は大変、ということもあります。勧める学生のことをよく知っているのであれば、東京だと遊んでしまいそう…とか、いろいろ考えます。

逆に、東京や大阪など大都市のいいところは、アルバイトが多いこと、同国人コミュニティがある場合が多いこと、そして博物館や美術館などの文化施設やイベントが多いことも挙げられます。専門によっては近場にそういう施設があるといいのかなと思ったりします(まあ、いくかどうかは別として)。

個人的には日本語学校がたくさんあるようなところよりも、地域に日本語学校が一つしかないようなところの方が特色もあり、地域との交流もあって学びが多そうだと思って勧めがちですが、私自身が海外に住むときは直行便ですぐ帰れる町に住みたいですね…笑

目的と進路

日本語学校のカリキュラムはある程度似通っていますが、学校によってはある方向に特化したコースがあったりします。専門学校に行きたいのか、大学に行きたいのか、大学院なのか、就職なのか、文化を学んで修了後にすぐ帰国するのかなどによっても、勧める学校は変わると思います。

また、大学に進学したい場合、国によっては日本の大学の入学条件で「12年間の課程を修了している」ことが満たせない場合があります(高校が2年間しかないなど)。その場合は、日本語学校に通うことで1年分の課程を修めたとみなされる課程(文部科学省が指定した「準備教育課程」)があるので、そこを選ぶと大学進学における問題が解消されます。

学校によっては、卒業後の進路を公表している場合があり、大変参考になります。近場の進学が多いのか、全国に散らばっているのかなど、いろいろな傾向があるので自分の進路の参考になると思います。

国籍と学生数

その日本語学校に在籍する学生の国籍も気になりますね。非漢字圏の学生であれば、漢字圏の学生が多い学校は漢字学習で難しさを感じるかもしれません。また、同じ国の学生が多い方が安心か、少ない方がいいかは学生自身にもよると思います。(私個人が英語圏に留学するなら、いろいろな国籍の学生がいた方がいいなと思います)

日本語学校によっては中国やベトナム出身のスタッフがいて母語でサポートしてもらえたりします。そういった点も参考になると思います。

また、初めてその国の留学生を受け入れるという学校の場合、ビザや入国後の対応で難しい点があるかもしれないので、そこも検討材料です。(初めての学生ならきっとよくしてもらえると思いますが…)

学生数も、100人程度の学校からマンモス校まで様々です。小さい学校は先生やスタッフが生徒の顔をよく覚えてくれるという利点がありますが、開講されるクラス数が限られるので、自分に合っているレベルの授業がない可能性があります。大きい学校なら、同じレベルでも複数のクラスが開講されている可能性があり、自分の合ったクラスに入りやすいでしょう。

学校自体について

学校自体について、一つは学校の運営母体についてです。日本語学校の母体はいろいろで、学校法人だけでなく企業が母体の学校もあります。学校法人が母体だと学割が使えますが、そうでないところは学割は使えません。もし企業が母体の場合、企業自体の業績も調べておきたいところです。2年ぐらいは持ちそうなのかどうか…

また、日本語教育振興協会の登録校かどうかも一つの指標になります。登録するにはお金がかかるので、お金をかけて申請するか、また評価・認定されるための審査を受けられる余裕や自信があるかという判断ができます。

そして、学校の設立からの年数なども気になりますね。古いからいいというわけではありませんが、新規校すぎるのも気になります。

授業料と、授業以外のサポート

授業料って、そんなにどの学校も変わらないのではないかという印象です。授業料が高い場合はそれだけ施設が良かったり内容が充実しているような印象があります。

ということで、授業料だけで選ぶのがいいかというと、そうではなさそうです。それ以外のこと、イベントの有無やアルバイトの斡旋をしてくれるかどうか、寮や住居のサポートなどがあるかどうかという点ですね。授業料の払い込みを待ってくれるか、独自の奨学金があるかなど授業料以外の金銭面もチェックしておきたいところです。

日本語学校って数が多いしよくわからないところも多いので、勧めるときはいろいろ調べてから勧めたいと思います。学生にとっては安くないお金を払って(場合によっては借金して)留学するので、その学校が途中で事業をやめてしまったり、質が悪いというのは避けたいですよね。

その学生に合うかどうか

結局、いい日本語学校って人それぞれで、その学生の目的や性格によると思うんですよね。それを見抜いて(または聞き出して)いくつか提案できるのがいいんじゃないかと思います。ただ、学生にとってはその情報が全てだったりするので、なかなか責任重大なこともあります。

本当ならビザがどのぐらい下りているかなども調べたいんですが、そこまで調べるとちょっと疲れちゃうので、その学校のサイトだけで調べられる内容にしています。

みなさんは日本語学校を勧めるときにどんなことを気にしますか?ぜひコメントでお寄せください。私も知りたいです!






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