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【CROSS POINT vol.3】祖母の幸せ_行っても良いデイサービス

祖母マーチにとって、行ってもよいと思えたデイサービスに行き続けることで、好きなデイサービスに変わった、3年間の軌跡

vol2. 祖母の幸せ_行きたくなかったデイサービスでは、
「祖母マーチの幸せ」について考えているところ。行きたくなかったデイサービスが、行ってもよいデイサービスになったところ。

「行ってもよい」の理由

祖母マーチがデイサービスに行ってもよいと思えたのは、

祖父ジャニーに時々会えること(スタッフさんとも祖父ジャニーの話ができる)
家族以外の人と話を楽しめるということ

デイサービスのスタッフさんが気にかけてくれたり、祖父ジャニーとの貴重な時間だったので、誰と会うのが嬉しいのか、を押さえるのはポイントになる。

3ヶ月後、祖父ジャニーが他界した。気持ちが落ち込んだり、「行ってもよい」の理由が減ることで「やっぱり行かなくてもよい」となるのではないかと懸念した。だからなるべく、デイサービスから帰ってきた時は、なるべく楽しかった時の話を話してもらうようにした。

なるべく良いイメージを覚えてもらうために

腰が痛いといっていた時には、デイサービスに行ったら見てもらえるよ。と言い、

お風呂に入るのをめんどくさくなってきた頃には、デイサービスに行ったらお風呂も入らせてもらえるよと言う。(大勢で入るのは好きじゃないから、個別で入れるシャワーからスタートした。)

その繰り返しだった。

好きなデイサービス

ところが3年経った最近、祖母マーチは、デイサービスの魅力を発見したようだ。

デイサービスに行った日から3日間ほど、祖母マーチはご機嫌。

・スタッフさんがよくしてくれるし、世間話ができる。→優しく話してくれる。近所づきあい、世間づきあいは好きだったから、きっとそんな世間話を楽しんでいる。

・ちょっと祖母マーチより若いおじいちゃん・おばあちゃんがよくしてくれる→物を落とした時に拾ってくれたり、祖母マーチが何かした時に「大丈夫よ」「気にしなくていいよ」と率先して動いてくれる人がいるみたい。顔見知りができ、「あの人は何曜日にいる」とお互いのスケジュールを把握してきた。公民館の教室に集まる感じ。

・お風呂が気持ちいい→スタッフさんの手際がよく気持ちよかった。自宅でのお風呂の頻度が減っていて、2週間に1回くらいになっていた。母マミーは「手伝うよ」と声かけるのだが、やはり祖母マーチは抵抗あり。そんな時、骨折して手にギプスという状態になったから、本人の力だけで自宅でお風呂に入ることはほぼ難しい状態に。その次のデイサービスの入浴がよかったのだ。気持ちいいスピードで、焦らしすぎない。本人もご満悦で、1週間に1回利用していたが、本人から1週間に2回お風呂を利用したいと言い始めた。これは母マミーも嬉しく、すぐ連絡し増やせたのだ。

立役者:タイミングを逃さない母マミーとスタッフさんの連携プレー

実は、骨折した次のデイサービスの朝、行きたがらない祖母マーチを、母マミーは自家用車で送っていき(普段は送迎バスを利用しているが)、状況をスタッフに説明。「ギプスはめている状態だけどデイサービスに来ていい、家にいなくて良いよ」と伝えてもらうのが目的だったのだ。その日のシャワーが最高に気持ちよかったのだ。スタッフさんの手際の良さとフォローが、祖母マーチの心に届いた。こういう大切なタイミングは、実は、本人・家族・スタッフ誰もが成功を祈っているもの。だから、一番相性がよかったスタッフさんが対応してくれて、本人もご機嫌で帰ってきた。それが、シャワーを2回に増やすということに繋がった。

さらに深掘り:連携プレー前日の作戦会議

骨折した日の3日後にデイサービスの日があった。

母マミーと娘chieは作戦会議をしていた。

テーマ:骨折したら、デイサービスを休まなくちゃいけないのか

祖母:「骨折して、手が痛い、頭も痛い、腰も痛い」骨折後、一日中ベットで横になっている。

母マミーと娘chie:

・手が痛いのは骨折しているから、治るまで1ヶ月かかるが、別になんでもできる。

・頭と腰が痛いというから、一応受診して何もないことを確認した。→その時に自分で、「骨折したから頭も痛いのかも」とかかりつけ医に説明している。

・ずっと寝てる必要はない。座ってできることとか、片手でもできるようなことはやったらいい。

・寝る時間が長くなったため、他のところまで悪くなるのだけは避けよう。

結論:きっと、骨折して気分的にショックだったり混乱している。→なるべく今までやってきたことは、片手でもできる方法を伝えて、なるべくやってもらおう。寝ている必要はないというのをわかってもらおう。そして、デイサービスやいつもやっていた習慣をできる限り変えないでおこう。
関連事項:この2日間の間で、寝ている日が多いときは、曜日の感覚が曖昧になり、今日は何曜日?と何回も聞き始めた。
結果:母マミーからスタッフさんへの状況説明がうまくいき、本人の幸せに繋がり、入浴も増やせるという予想以上の良い1週間のリズムが作れた。

3年間の発見:祖母マーチがアートにハマる

グレードアップしている

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ポイント

デイサービスに行くからこそ、たどり着ける世界がある
目指すことに、好きを盛り続ける
人の輪を作る
絶妙なタイミングで、家族とスタッフは連携する。「家族間連携」

①何か変わってきたぞと感じたら

②家族で方向性を決める(簡単に)*これをやっておくと、後に先見性・判断が正しかったか気づける。

③家族からスタッフへ現状を伝える、アドバイスを仰ぐ。なるべく、気づいたその日に。

④家族で方向性をまとめる(スタッフのアドバイスを踏まえて。)*専門家は、家族の先見性・判断力について見抜こう。

⑤期待せず試し続ける(家族とスタッフが同じ方向性で)

テキスト:中塚智恵

筆者からのお願い:「Cross Point介護キライ家族」では、幸せな未来を作っていきたい家族たちの物語。壁に感じていることや成功したことを伝えて、「家族の幸せ」を一緒に考えていく場所として使っています。似たような経験談、ヒント、応援メッセージがあれば、コメント欄へお願いします。介護よくやってるねって感じの方はスキ、似た境遇の友達に教えてあげたいって方はシェアをお願いします。

●連載:Cross Point介護キライ家族

https://note.mu/ha_chu/m/m7507ac323f4c

Chie Nakatsuka 中塚智恵(なかつかちえ)
TOKYO STARTUP GATEWAY2019に参加し、1次通過(現在)
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