プロ車いすランナー廣道純さんの講演に同行
理学療法士として「障がい」という概念に行き詰まりを感じた中塚ちえです。「障がいに関する、思考と世界の動き」を調査し、己の働き方をアップグレードしたかった2016年。オーストラリアで、福祉・スタートアップ・旅行に携わる中、シドニーでたまたま「プロ車いすランナー廣道純さん」と出会った。
講演をされているのは知っていたけど、今、講演への同行をお願いしたお話。
廣道純さんとは
・00年シドニーパラリンピック800mで銀メダルを獲得
・04年アテネパラリンピック800mで銅メダルを獲得
輝かしい活躍を見せる車いす陸上プロ選手であり、講演会・トークショーに登壇。スポーツオブハートの発起人でもある。
(スポーツオプハート東京 2019。写真:Chie Nakatsuka)
なぜなら、廣道さんは、
競技人生の中で、
競技功績を残す
車いす陸上の普及
生き方を伝える
を同時にこなしたいと思っている。
さらに興味深いところは、
・当時の世界記録保持者、アスリート ジム・クナーブの元へ弟子入り
・04年3月には日本人で初めてのプロアスリートとして独立
・関西弁の軽いタッチで、周りの人を巻き込んだり大事にする能力
・日本人でも、外国人でも、誰に対しても変わらないワールドワイドな性格
(三浦知良選手のように先進地に飛び込み、
本田圭佑選手のように未来を見据え、独自の働き方をし、
芸人+兄貴みたいな人柄で、世界中で自己表現できる人。)
「これがヒロミチジュン」なのだ。(ちなみに、アメブロのタイトル)
講演では、これにまつわる経験談を展開している。
講演同行をお願いしたわけ
そもそも、
講演に同行したいと思ったのは、
経験を持つ車いすユーザーが、プラットホームを活用して大暴れ・活躍する方向性について語った前日があった。
「障がい」というマイナス概念に飽きたchieが、
2020年に「車いすの旅のプラットホーム」を作りたいから。
(ブレブレ写真:牧さん撮影。みんなの笑顔でカバー。)
この日は、純さんが、お友達の牧さんも呼んでくれて、2人で相談に乗ってくれて、大好きなインドカレーと豊富な経験話を堪能。
純さん・牧さん・エクマットラアカデミー渡辺大樹さんの想いで始まった、バングラディシュでの活動についても聞かせてくれた。
*ストリートチルドレンたちのための学校兼ハウス「エクマットラアカデミー」での「1日校長」
この日を通し、
「経験談の活かし方」を深掘りしたくて、
急遽、講演同行のお願いをしました。
講演も、経験談の1つの形だから。
(講演当日にも関わらず、引き受けてくださってありがとうございます。)
講演開催者は、どうして講演会を設けたいと思ったのか?
話し手は、経験談を通して、何を伝えているのか?
聞き手は、経験談を聞くことで、何を考えるのか?
ここから先は、
観たことをビジネスへ転用していく様子をお伝えしていきます
経験を語ること →→転用①
印象に残ったお話:(聞き手として)→→転用②
講演担当の先生のお話 →→転用③
先生から学んだ「学ぶスタンス」→→転用④
まとめ〜経験の活かし方〜
デザートを買うか、これを読むか。
経験を語ること
(10月9日 夢未来プロジェクト@足立区立新田高校)
廣道純さんは、
プロフィールにあるような生い立ちについて語りながら、
シドニーパラリンピック・アテネパラリンピックでのレースを、
実況中継をしているかのように伝える。
感じたこと、(心境)
考えたこと、(戦略)
結果
次へのアクション(行動)
を解説しながら。
印象に残ったお話:(聞き手として)
「2位になった。レース中、ふと、メダル取れるからいいか〜と妥協がよぎったため銀メダルになって、自分への悔しさしか残らなかった。その後のパラリンピックでは、やり通して、銅メダル。この時は結果に納得できた。」
・無駄なことはない
・どう取り組んだかで、結果への満足度が変わる。
(自分への向き合い方が大事。環境のせいでも、他人のせいでもない)
・目標達成への考え方は、スポーツ、勉強、ビジネス、趣味、人間関係どれにおいても通用する。
→転用①:レース展開と同じように、旅は、その時の生き方を反映するが、その後の生き方にも影響する。だから、やり抜く旅の経験も、レースでの経験と同じように、マイルストーンになりそう。
レースへのこだわりだけでなく、講演へのこだわり感も好きなところ。
・聞き手を驚かせる演出(登場の仕方を提案)
・生徒と先生の体験の形を一番に考える(提供価値の追求)
・こだわり、熱中を伝えること(スポーツ選手として)
・生き方を伝えること(人として、楽しく、生き抜く)
→転用②:旅経験者のこだわりを見ていきたい。目標への向き合い方、人との関わり方、仕事(目的)の生み出し方、目指す過程での行動。
講演担当の先生のお話
開催しようと思った経緯
「生徒も先生も、いろんな人の生き方を知ることで、世界が広がっていく。招いたパラアスリートとしては5人目になるが、今年は、パラ陸上選手がいいなあと思っていた。」
「以前から講演者のことを知っていて、興味があった。」
→転用③:経験談を知りたい時は、興味がある時、世界を広げたい時。
先生から学んだ「学ぶスタンス」
この学校は本当にいいところで、先生と生徒の距離が近く、信頼関係が成り立っている。言うならば、先生と生徒が一緒に盛り上がって学ぶスタンス。
だから、先生の姿勢もちっとも押し付け感がない。
そして、生徒は、校長先生でも、副校長先生でも、他の先生でも、接し方が変わらない。私たちに対しても。何かを試す時も、副校長先生や先生たちと一緒に取り組む。(自分を誰にでも見せれる人が多いなあ)(巻き込めるの今後も絶対に役に立つよー)
だからこそ、私たちも、生徒たちと先生たちの両方のスタンスが好きだった。元気さと、親しみやすさと、フラット感。
昔の体育会系の形式張った雰囲気とは反対の、心地よさ。
これが現代の高校???
令和???
いいかも!!!!!
この高校が何かにチャレンジするなら、応援したくなる。
・先生が、生徒のことを「〇〇できると思います」
・「生徒が〇〇できてびっくりしました」
と、さらっと言える先生たち。
素敵すぎます。
→転用④:一緒に学ぶ、まず体感する、気づいたことを言葉にする。そんな仲間と時間を作ろう。
まとめ〜経験の活かし方〜
・経験を伝える
・経験を体感してもらう
・体感の共有をアシスト
・経験から得られた今を見せる
ちなみに、純さんは、生粋の青春時代からの長渕剛ファンであり、嬉しかったネタとして公言していたが、まさかの現代の高校生には伝わらないオチ。
期待通りには行かない。
だから楽しい。
経験をこうしてまで解明している理由
経験談を情報と区別してもらうため:
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