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初めての通訳はいかに

こんばんは。中塚智恵です。オーストラリアに3年間住んでいたことで、今回、本格的な通訳のお仕事を頂き、挑戦してきました。そこで気づいた、通訳に求められることをまとめました。
これから通訳したい方、話せる英語を見つけたい方は参考にしてみてください。

通訳経験

今まで依頼を受けたことがあったのは、
・個人から面談での通訳
・日本企業からオーストラリアでの展示会におけるマーケティング通訳
でした。
今回、初めてプロジェクトの質に直接関わる通訳の依頼を頂きました。(MYホットな業界であり大好きなチームからで、喜んで受けさせていただきました。)通訳であろうとなかろうと、関われることにテンション上がる一方で、通訳自体は、瞬発力と耐久力が試される。皆さんがイベント会場でよく通訳を目にするような、あの長丁場型のプロジェクトの通訳+打ち合わせでの通訳だったので、考えられる部分は準備して望みました。

通訳もパターンによって対策が異なるし、通訳以外の役に立つスキルを感じたのでまとめます。通訳を極めれば極めるほど、もはや通訳ではなく、コーディネーターやファシリテーターのように動くという結論です。

通訳①:プロジェクトの内容把握

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プロジェクトの通訳で一番必要なのは、プロジェクトの内容把握です。他の通訳さんはどうしてるのか知らないし、通訳の勉強もしたことがないのでわかりませんが、私の場合は、プロジェクトでの関係性や、それぞれの立場の視点、各関係者の意志や目的を把握することが大切だと思ってます。通訳というイメージは、言葉を訳すイメージだと思いますが、言語が違うと表現の仕方や根本的な考え方が違います。
言葉を両者の言語に置き換えるのは当たり前、ここでより必要なのは、両者の熱意や思いを上手に伝え、目指したい到達点に向かって共に進み、到達したり、予想以上のハーモニーが生まれること。なので、コンテンツの内容把握は重要。知らなければ調べる、語れるくらい理解していると、どんな話にも対応できる感触でした。通訳はただの手段で、チームの一部としてビジョン、ミッションのもと動く面白さがありました。

通訳②:ミーティング

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ポイントは、各ミーティングで、お互いの目的を確認し合い、着地点を最初に強調することです。
これをするだけで、はるかにファシリテーションが楽になるし、みんながその着地点に向かっていく姿勢は、世界共通ですね。

その中で、
・お互いの意志がうまく理解し合えてないと気づいた時。
通訳に加えて、そっと言葉を添えます。
「例を用いてみてください」「結論は何ですか?」など。
両者の文化を知る立場としては、そんな場数も踏んできたはずなので、こういう伝え方したらいいなど、切り札がわかるのではないでしょうか。海外に行ったことがない通訳さんもいるとしたら、海外経験で成り上がった通訳の見せどころのような気がします。

・プロジェクトへの取り組み方が違う場合。
(↑こんな時に悩むプロジェクト責任者は結構多そう〜。)
困っている側に、気づいたことを伝える。
ここでも、海外での経験が役立ちます。
経験からご紹介します
①時間感覚の違い。時間にこだわらない国柄と律儀な国柄があります。どっちが良い悪いはありませんが、お互いの心地よさが見つかるといいですよね。そんな時は、提案とオープン・クエスチョンを絶妙なバランスで使う。例えば提案型で強気に伝えて結構響かせたいとき「30分の余白はありますが、時間オーバーは一切できません。対策としては、タイムマネジメントと内容変更の担当者を決めるべきだと思います。」、ちゃんと考えて欲しいオープン・クエスチョンなら「〇〇時までには必ずクローズしなければならない。時間通りに終わるよう、タイムマネジメントとリアルタイムの内容調整は、どのように管理していきますか?」など。海外は特に、担当の範囲を決めて初めて、主導権を個人が持って発揮するワークスタイル。決定権の所在を明らかにすると、プロフェッショナルに動いてもらうことができそうです。

②進め方の違い。プロジェクトに対し、その日の感覚で進めたい国柄と細かいスケジュールを決めておきたい国柄では、進め方に違いが生まれますよね。状況把握の後、最重要ポイントをしっかり確認する。(全て細かくプランニングするのが良いとも限らない。)
アジェンダなど書類の完成時期も異なることも多い。アジェンダの提出が遅いことに腹を立てるのではなく、うまく利用する。遅く提出する側に、「〇〇までには必ず欲しい。会議で使うので」と伝えたり、「休憩時間は、60分に10分設置するようにしてください。」と明確に伝える。すると、意外にも要望を組み入れてもらえて解決できます。

こういうやりとりを通して、進め方のリズムが出来上がるでしょう。グローバルでの暗黙のルールは、「言葉で伝え合い、両者が納得したことがルール」になります。なので、日本流「暗黙の了解」はノールールと一緒。私は目的と調整して欲しいことははっきり一文で明示するということを、オーストラリアで身につけたように思います。(メールなら冒頭と最後、会議でも始めと終わる前に必ず伝え、可能なら会議内でその日の議事録を送り合うか、議事録を受け取れる日を確認しておく。役割分担は、自分から役割を取りにいくのが基本なので、担当して欲しい要望は、はっきり伝える。)

つまり、プロジェクトでの通訳は、言語間の通訳のみというより、ファシリテーター?コーディネーター?みたいな力量がつくと、より会議をサポートできて、通訳の効果を発揮できそうです。

通訳③:流動するプログラムの中で

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プロジェクトの内容と目的を把握していたり、ミーティングから加わっていれば、講義型やイベントでの通訳は、そんなに難しくはないでしょう。当日は、内容を参加者に明確に伝えること、説明口調なときとジョークをいう口語口調なときで、通訳も話し方を変えていきたいですね。プログラムでの通訳たるポイントとしては、結構長い会話をまとめて訳すことが多くなりがち。キーポイントの言葉をメモに書き留め、話の構造を図などで書き出します。全く違う国についてだと、人の名前なのか、街の名前なのか、商品の名前なのか、聞き取った直後にはわからないことも多々ありますが、このままではその戸惑いは聴者も感じてしまうはず。文脈で判断するしかありませんが、できる範囲で、〇〇という街、〇〇という商品というように些細な説明を加えます。わからなければ、勇気を持って聞き返す。あまりやりすぎてしまうと時間がかかってしまうので、事前に資料を送ってもらうなど工夫はできます。事前に資料を得ておくと、それだけ余裕が持てるのでオススメですし、YoutubeやWebサイトなどで下調べもできます。例えばいいPVが見つかれば、プレゼンの変わりに、そのPVを使えばいいなーなんてプログラムの内容に貢献することもできるでょう。

対話型のプログラムについては、あまり準備はできませんね。当日での組み立てによるものなので、瞬発力が試されます。それでもできる対策としては、睡眠をしっかりとって万全の体制で挑むこと、ドラマや対話型セッションのYoutubeなどを見て、耳慣れしておくと良いでしょう。一番は、常日頃からディスカション形式や近いテーマについて英語で話し慣れておけば、言うことなしです。結局海外のような環境に身を置くことで伸びてきます。

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