私を傷つける人

私はこう見えて結構警戒心が強い。なぜなら、私の周りには、私を傷つける人がたくさんいるからだ。

私に会った人は、きっと10秒で私を「傷つけてもいい人間」に分類するんだと思う。キャラクターの問題だ。私は、何を言われてもヘラヘラと笑っていて、えげつなくイジられてもノリよく返すことができる。小さい頃から傷つかないようにと身に着けたワザだ。

だけれども、時々私に向かって「ちえは愛されていていいね」とか「誰とも仲良くなれて、トクな性格だね」と言う人がいる。大間違いだ。ヘラヘラしているのも、イジられても明るく返すのも、必死で脆い心を守るために身に着けたワザだ。私の色んな葛藤や無碍に扱われてどこかへ消えた気持ちなんかを知らない人間が、よくもそんなことを言ってくれると憎々しく思う。

このタイプの人間が、私は一番嫌いだ。人の表層しか見ない人。

私は、社会人サークルで言われたことがある。「お前は踏み台だ」と。

そう言ってきた、仲のいい(?)人曰く、「みんな男は最初はサークルにすでにいる女の人に対して、どう振舞っていいかわからない。だから、とりあえずお前に紹介する。お前でみんな、このサークルの女の子に慣れていく。このサークルの女の子とうまく接することができるようになるための踏み台のようなものだ」ということだった。何を言われているのか理解できなかった。ただ、こう言われたことに対して「侮辱だ!」と糾弾していいのかもわからなかった。カレには悪気がなく、「だから頼むよ」と笑顔だったからだ。

人間には、仲良くなればなるほど「傷つけていい相手」だと勘違いする人種がいる。何を言っても笑顔でいる人を「傷つけていい相手」だと勘違いする人種がいる。そういう人種が私は大嫌いだ。

しかし、そういう人種に毅然とした態度で立ち向かえない自分が一番嫌いだ。結局私は、周りの人を嫌いになれないのだ。

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