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叔母が与えてくれたもの その1
人との出会いは、化学反応のような変化をもたらす。多かれ少なかれのちがいはあれど、出会う前とまったく同じ状態にはもうもどらない。
わたしはそれを、エネルギーの変化として考えてみる。わたしはこの世のしくみを理解するのに、占星術というモノサシをつかう。惑星や12サインというシンボルの意味をつかって、そのエネルギーの変化を言葉にしてみたりする。
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先日、叔母の葬儀が終わり、わたしは叔母がわたしに与えてくれたものについて思いをめぐらせた。
とても個人的な思い出の話です。叔母への感謝をこめて、そして気持ちの整理のためにも書きたくなりました。
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こちらは葬儀の前に書いた記事です。
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叔母はとてもユニークな女性だ。独学で料理を学び、自宅で教室をひらいていた。得意レシピは2000以上あったそう。
英文科卒で、付近の子どもたちに英語を教えていた。子育てやながい介護が終わったあと、自分の時間がつくれるようになってからは自分自身はフランス語を学び、年に一回は海外旅行をしていた。
海外旅行は、所属していたコーラスグループの公演活動の一環だったかもしれない、うろ覚えだけれど。
野草の会に属してフィールドワークをしながら野草を学び、専門家のようになっていた。近くの小学校の放課後クラブをまかされ、子どもたちを連れて山や野を歩きながら野草について教えていた。
みつけたキノコが食べられるかどうかを選別できる。雑木林を一緒に歩き、どこに食用のキノコが生えているのかを教えてくれた。そのときわたしが採ったばかりのキノコを料理してごちそうになったこともある。
「もともと自分の母の影響で草花は好きだった。野草研究にはまったきっかけは、ある日、林の近くを歩いていたら、大きな木の根元をとりかこむように輪になってキノコが生えているのを見つけたこと。毒キノコだけれど赤く模様のある姿がかわいらしく、幻想的な雰囲気にすっかり魅了されたのだ」と。
子育て、家事、仕事、介護、におわれ自分の時間がもてず、気が滅入る時期もながくあった。その時期にも眠る少し前だけでも時間をつくり、野草の勉強をつづけた。それに打ちこむことが自分を救ってくれた面もある、と話してくれた。
「だから、あなたも好きなことを夢中でやりなさい」と、わたしの占星術にも興味をもち、背中を押してくれた。
叔母のしていたことを書き連ねるだけで、もう記事が終わりそうだ。
もちろんそういう活動を知るだけでも、活発で自由な精神をもち、困難があってもめげずに人生を存分に楽しむ姿は伝わるだろうと思う。
けれど、まだ書きたいことはある。彼女はただ自由で闊達なだけではなく、とても情が深く、まわりの人たちを心から大切にしていたから。
たとえば、叔母は子どもたちに「英語を学ぶのを楽しい」とまず感じてもらいたのだ、と言っていた。
だからといって軽く教えているわけではない。その子に合ったペースで、できるようになる喜びを味わえば、子どもは自分からどんどん学びだすものなんだ、と信じていた。彼女が教えた子どもたちはそうだった。
英語に自信がついたおかげで他の勉強もがんばれて、学校で無理だと言われた受験にうかったと、その子が行きたかった大学でイキイキと過ごしているのを喜んでいた。
そんな姿にもわたしは強く影響をうけた。
他にもエピソードはあるのだけれど、わたし自身に関わるところにうつろう。
叔母は、わたしがまだ学生だった頃、九州のわたしの家に遊びにきたときに、「あなた東京に出てきなさいよ」と言った。もっと広い世界でのびのびと経験をつみなさい、と。彼女は千葉に住んでいた。
結局、わたしが東京に出たのは、それから数十年たった後なのだけれど。
東京で過ごした8年間。はじめの一年間は、まだ自分の居場所もやるべきことも見つけられず、人生に迷ったようなつらい時期だった。
ちょうど重なるように東日本大震災もあった。不安に心は揺れ、でも九州に帰るにはまだ自分自身が納得がいかず、叔母に助けをもとめた。
「あんた、わたしが誘っても、ぜんぜん遊びにもこなかったよねぇ」と、ちょっと憎まれ口もたたかれつつ、しばらく一緒に住まわせてもらうことになった。
この6ケ月間に、彼女からの影響を(わたしの捉え方だとエネルギーを)たくさん受けとった。
そして叔母がこの世から旅立ったいま、彼女が与えてくれたエネルギーがわたし自身の存在に溶けこんで、あらたなわたしとして表に出てくるような気がしている。
数日前には喪失だった感覚は、いま何らかの存在感へとかわろうとしている。
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占星術のモノサシでみた、叔母とわたしの関係、そしてどんなエネルギーの変化がおこったと読みとれるのか、も書きたかったのだけれど、それはまた次の記事にします。
つづきはこちら その2
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