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3歳、秋のお神輿

3連休の中日、氏神さんのお祭りがありました。地蔵盆の提灯を納めていることもあって、奉賛会に入っています。毎年お祭りの時期になると、お神輿の担ぎ手の募集がかかるんですよね。夫は残念ながらそういうのに参加するキャラじゃないので、今年もひよこの子ども神輿だけ申し込み。去年は法事と重なってしまったので、2年ぶり2度目の参加です。

訳も分からずベビーカーで最後尾をついていった1歳とは違い、もう3歳。出発前の祝詞はいっちょまえに神妙な顔で聴くし、天狗さん(とそのきらびやかな衣装)にも興味津々。すこし進んではお神輿を止めて唄い、また進んでは……で3時間かけて町内を練り歩いたのですが、春の区民パレードのおみこしに続いて、またもやひよこ氏、奥儀「だっこ~!」を繰り出すことなく、完遂しました。やるなぁ。しかも、春は断固として沈黙を守った「わっしょい!」を、今回は後半気分がノッたようで発声してくれました。

3時間、飽きずに弱音を吐かずにお神輿を曳けたのは、まわりを同年代の幼稚園生に囲まれていたのも大きかったと思います。隣の家の1つ上の男の子は、唄い手さんに合わせて歌詞を見ながら唄っていて、まだひらがなを読めない(「お」や「ひ」などいくつかは分かるようですが)ひよこは「おおもりも唄いたいなぁ」と憧れの目で見ていました。来年は唄えるといいね。意気を自家発電したり、憧れを抱いたり、環境って大事やなとあらためて思いました。

もうひとつ、この子ども神輿をいいなと思っているのは、子ども向けの「ご褒美」がないこと。途中休憩でパンとジュース、終着したらお弁当をいただけるのですが、それだけ。子ども向けの「ご褒美」のお菓子などはありません。区民パレードのおみこしや、保育園のイベント(運動会や生活発表会)では必ず「ご褒美」をもらえるので、子どもからしたら「え、がんばったのに、ごほうびないのん?」なんですよね。ない、ないよ。むしろ氏神さんに「護ってください」ってお願い聞いてもらってんねんもん。わかるかなー。わからへんよなー。大きくなったらわかるよ。ふふふ。

その家に住んでいるという感覚に加えて「その街に住んでいる」という感覚が出たときに初めて「値崩れしていく住居」っていう不幸な気持ちを超える感覚が出てくると思いますよ。

内田樹・名越康文・橋口いくよ「本当の大人の作法」

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