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そんなことを感じるくらいだったら、はじめからやらなければいいんだ

連休2日目。晴れ。今日も今日とて、公園あそび。四六時中くっつき虫だったひよこも、3歳をまたいだあたりから、ひとりで散策に繰り出すようになりました。風にあおられて折れた木の枝を集めまわる子と、砂場の淵に腰かけて、延々と、カップに砂を詰めて型抜きする母。ひよこを視界の端に収めつつ、「おかーさん、見てないよ」を演出しつつ。

保育園様々で「公園から出ない」は理解しているし、慎重派なので危ないことはしないだろうと踏んでいますが、それでも、視界から消えてなかなか戻ってこないと、ちょっと不安になります。なにしろ、このご時世。そわそわが募ってつい立ち上がると、それを見越したようにひょこっと姿を現して、わたしはそれを見ていない風に腰を下ろす、の茶番を、今日だけで何度繰り返したか。

わたしが幼稚園に通っていた30年前は、少なくとも年長さんのときには、子どもだけで外遊びしていたし、友だちの家に行くのに1人で出歩いていたけど、たぶん、今は、そうじゃないですよね。未就学児だけでうろちょろしてる光景、見ないですもん。昼間の公園でさえ。

なるべく介入せず、必要としていないときは放っておくことで、ひよこに「信頼」と「制限の在り処」を伝えたいと思っていますが、言うは易しだなぁ、とつくづく。ああなったらどうしよう、こうなったらどうするん?と立ちはだかる「たられば」に、伊坂幸太郎が「重力ピエロ」で春に言わせた台詞を解とあおいで、踏みとどまったり、口をつぐんだりして、虚勢を張っています。

「反省はしないし、罪悪感も感じていない」
「そんなことを感じるくらいだったら、はじめからやらなければいいんだ」

伊坂幸太郎「重力ピエロ」

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