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【選挙ウォッチャー】 茨城県議選2022・常陸大宮市選挙区レポート。

 12月2日告示、12月11日投票で、茨城県議選が行われました。
 常陸大宮市選挙区の定数は1で、現職と元職による一騎打ちでした。
 黒部博英さんは12年前の選挙で落選し、その後は常陸大宮市議として活躍。このたび、満を持して県議選に挑むことになり、リベンジ当選を目指します。
 一方の大瀧愛一郎さんは、2020年の茨城県議補選に立候補し、無投票当選となった現職です。県議選に挑むのは初めてとなりましたので、果たして当選なるでしょうか。

大瀧 愛一郎 61 現 自民党
黒部 博英  48 元 無所属(自民系)

 悲しいことに、ここもまた「自民vs自民」の対決であり、黒部博英さんは無所属となっていますが、県議時代は自民党だったことから、当選後は自民党に戻ると思われます。
 つまり、ここでも自民党以外の政党に投票したい人たちの気持ちは、選挙で反映されないことになっています。結局、自民党以外の選択肢がない選挙区ばかりで、これでは民意が反映されているとは言い難いです。


■ 若者の意見が反映されないという誤解

 4月の統一地方選を前に、ひろゆき、成田悠輔と並ぶ若手言論人のポジションを確立している「たかまつなな」が、老人たちを出演させ、口々に「選挙に行くな」と言うCMを制作し、Twitterなどに流し始めました。逆説的に若者たちを投票に行かせることを目的としたCMながら、お爺さんやお婆さんたちが若者の不幸を願い、まるで自分たちのことしか考えていないかのような演出は、ただただ「醜悪」であるの一言です。
 もともとは、アメリカ大統領選の時にトランプ陣営が放送したCMのパロディーだと思いますが、共和党と民主党の政党同士の争いならともかく、世代間を分断し、まるで高齢者が害悪であるかのような演出は見過ごすことができません。これは老人に対するヘイトです。
 たかまつななは、成田悠輔と同じように、自分たちこそ若者の代表であるかのように振る舞い、「シルバー民主主義」なるものをアピールし、年齢が若ければ若いほど票を重くして、年を取れば取るほど票の重みを軽くするという仕組みを提唱しています。しかし、「若者より高齢者が多い」という傾向は、少子高齢化を克服できない限り、永久に続いてしまう深刻な問題でもあります。今のところ、子供の数はどんどん減り続けているので、いつか出生率が回復しない限り、100年後も「若者より高齢者が多い」という国になりつつあるのです。
 もし、たかまつななのような頭の悪い政策を選択すると、高齢者は早く死ぬべきだという世の中が出来上がり、不幸の連鎖が生まれます。簡単に「爺さん婆さんは早く死ね」と言ってみたところで、かけがえのない肉親や親友にも同じことが言えるわけではありません。社会というのは、まったくの孤独に生きている人はおらず、どこかで必ずつながっています。血縁のみならず、社会でもつながっているので、誰かが死ねば、誰かが悲しいわけで、全員が見ず知らずの人ではありません。そんなことを言ったら「たかまつななの両親から最初に死ぬべきだ」と言われても文句は言えなくなってしまうのです。
 たかまつななは、さまざまなメディアで「選挙」について偉そうに語る場面が見られますが、実際、選挙をまったく見ていないに等しいのではないかと感じずにはいられません。僕が現場で見ていて思うことは、「若者たちが無視されているようには思えない」という話です。
 今、どこの自治体でも市長や町長になる人が掲げる政策は「少子高齢化対策」になっており、主に子育て支援策が公約の中心になっているケースがほとんどです。「給食費の無償化」というのは、もともとは共産党が言い出したことかもしれませんが、今では自民・公明推薦の候補であっても、これを掲げない方が珍しいほどですし、「子どもの医療費の無償化」も当たり前になってきています。また、市議選や町議選などに若い候補が立候補した場合には、よっぽどポンコツな奴は別としても、だいたい当選しているイメージがあります。問題は、市議や町議になった若者たちが、ろくすっぽ政策を勉強せず、わけのわからない横のつながりを持ってネトウヨ化し、若者の声を代弁しなくなってしまうことです。
 だいたい政治や選挙に真剣に向き合っていない奴が、たかまつななのような論説に触れ、いきなり投票しに行こうと思ったところで、どうせ投票用紙に「ガーツー」と書いて帰って来るのが関の山です。社会に迷惑ばかりかけてしまうアホの政党に議席を与え、年間3億3300万円の政党交付金を与え、それでゴルフやキャバクラに行っていることに「公金チューチュー」とは言わず、若い女性たちを支援しようと言っている団体に凸をして、活動を中止に追い込もうとしているのは、たかまつななに感化されてしまう若者たちです。コツコツと努力することを忘れ、「政治家女子48党」のようなチート行為で政治をハックし、犯罪者たちに公金を流していく反社政党が幅を利かせている現実。
 若者の声が反映される社会を作るためには、まず若者が議員になることが大切であり、そのためには若者が真剣に政治に向き合うことが大切です。何でも良いから投票率を上げれば良いというのは間違いで、みんなで正しい判断ができるかどうかが問われています。


■ 常陸大宮市選挙区・選挙ボード解説動画


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