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どうして新潟にプロ野球チームを作らないの?

今夏、新潟にプロ野球チームを招致しようという運動がニュースになった。

球団はBCリーグの新潟アルビレックスBCのNPB(日本野球機構)への参入か、在京球団の招致により実現を目指すとした。

突如として沸いたこの計画は、独立リーグである「アルビレックスBCをNPBへ昇格させる」という独立リーグとNPBの関係を無視した表現や、「ヤクルトスワローズ・千葉ロッテマリーンズ・オリックスバッファローズを中心に、新潟へのフランチャイズ移転を促します。」という、当該球団ファンの気持ちを蔑ろにした発言が火種となり「炎上」してしまった。

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「不人気」の烙印を押された3球団の中で東京ヤクルトの新潟移転は唯一可能性があるだろうが、新潟県でのプロ野球チーム運営は厳しいものがあると思われる。

ここで全国都市圏の人口ランキングを見てみよう。

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新潟市は日本海側唯一の政令指定都市であるが、全国的に見ると都市圏の人口ランキングでは16位に位置する。

札幌と仙台は都市圏ランキングの上位都市であり、1950年よりカープのフランチャイズとして続いている広島市よりも規模的には大きい。

日本ハムの札幌移転、楽天の仙台フランチャイズは上位から選んだ当然の判断であったと言えよう。

一方、都市圏人口で仙台の3分の2しか無い新潟でのプロ野球チーム運営がいかに厳しいか容易に想像できる。

ただし新潟にとって有利なデータもある。

それはJリーグの観客動員数だ。

アルビレックス新潟は2018年J2でトップの1試合平均14913人の観客動員数であった。

この観客動員数はJ1のサンフレッチェ広島(14346人)よりも多い数字だ。(もっともこれは広島の方が深刻とも言える)

またJ1所属であった2017年は1試合平均22034人であり、人気チームの川崎フロンターレに次ぐ6位である。

プロ野球チームのある札幌や仙台よりも観客動員は多いのだ。

まず2軍チームから始めてみてはどうか?

前回の記事でプロ野球2軍の「チーム数奇数問題」を取り上げたが、これを解決する方法は偶数にすることである。

イースタン・リーグのチームをウエスタン・リーグに移転させることは現実的に難しい。

ところがイースタン・リーグとウエスタン・リーグにそれぞれ1球団ずつ増やすことはさほど困難ではない。

そんなことができるのか?と思う人がいるかもしれないが、かつて2軍だけに所属した山陽クラウンズというチームがあったことは好事家の間では有名だ。

また韓国のKBOリーグでは新規加盟のNCダイノスとKTウィズは初年度、2軍リーグであるフューチャーズリーグのみ参戦することとなった。

台湾でも来季から味全ドラゴンズが中華職棒の2軍リーグに加盟することになる。

韓国・台湾は1軍への昇格を前提とした球団拡張(エキスパンション)だが、日本プロ野球はまず2軍のみのエキスパンションを目指してみてはどうだろうか?

2軍チームを作るなら、東は新潟、西は岡山が適当である。

岡山は都市圏人口ランキングでも広島より高く、民放テレビ局が香川県と乗り入れており視聴者人口でも優位なこと、そして何よりウエスタンリーグ所属5球団の中間地点に位置することからも相応しいと思われる。

新潟は都市圏人口ランキングで前橋や宇都宮の後塵を拝するものの、Jリーグでの実績を加味して強く推したい。

とにかくフォッサマグナより東で1都市、西でも1都市を条件にエキスパンションの公募をやってみればよい。

選手をどうやって集めるのか?

エキスパンションドラフトをやるとなると既存12球団のファンは贔屓の選手が引き抜かれるのでは?と不安になるだろうが、私の考えは違う。

12球団は余剰戦力を新球団に預けて育成して貰うのだ。

それだけでは選手人数が不足するだろうから、新球団も毎年育成選手ドラフトに参加して補充する。

12球団が新球団独自の育成選手を獲得したい場合は、現役ドラフト制度で指名する。(当然その場合は支配下登録となる)

3軍を作るほどの予算が無い球団にとっては、「みんなで3軍を運営する」という発想で、かつてあった「シリウス」に近いが、新たにフランチャイズを定めるところがキモである。

かつて自民党が「プロ野球16球団構想」を「日本再生ビジョン」として提示したが、一気に4球団も増やすことは非現実的である。

まずは2軍から増やし、1軍に加盟できるだけの市場規模があるか判断してからでも遅くはないのではないか。

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