『スペースチキンマン』第１０話 「激論！チキンマンvs退化人間」
前回のあらすじ
月のウシにものすごくやられたが
得意の”動かない”という戦法を使って引き分けた。
チキンマンはその時の話を２度としないと心に決めた。
へんな円盤が着陸していた！
「ややっ！へんてこだ！
へんてこは許さない！
あんなへんてこな円盤はアホロ計画の物に違いない！」
チキンマンは円盤の下まで行ってさけんだ！
「開けろー！
出て来いアホロ計画！」
すると円盤の下が丸く開き
チキンマンは円盤の中に吸い込まれてしまった！
「うわあああーっ！」
円盤の中に入るとへんてこなやつらが出てきた！
「ようこそエネルギードームへ！」
「なんとまぁ！
出たな見るからにアホロ計画！
必殺のチャック・ノリス・キックをくらえ！」
「まぁ落ち着けチキンマン！」
胸にMと書いてあるメガネのやつが言った！
「なに？俺がチキンマンだと知ってるのか？」
「もちろん！俺たちはもともと地球人だからな！」
５人が笑った！
「君の活躍はいつも見てるよ！
いつも見事な引き分けだ！」
本当はいつも勝ちたいのだが
ほめられたのでチキンマンは少しうれしくなった！
「まぁ勝てる時もあったけど手加減したんだ！
お前たちはアホロ計画じゃないなら何者だ？」
「俺たちは40年前から旅をしている
退化人間だ！」
「退化人間？」
「そう！進化の反対だ！」
「進化の反対って事は人間だったらサルになるって事か？
お前らはサルっぽくないぞ！」
すると胸にJと書いてある退化人間が言った！
「けどテレビに出てくる背広を着た奴らは
サル以下の事を言ってるじゃないか！」
「そんな事はない！
上岡龍太郎は賢かった！」
「あーあ！
彼はモンゴル系だから俺たちより幸せなんだよ！」
そして５人はまた笑った！
チキンマンは腹が立った！
「なんだかよくわからないやつらだな！
俺はもう帰りたくなったぞ！」
こんどは胸にB1と書いてある退化人間が言った！
「そう怒るなよチキンマン！
ちょうど音楽で遊んでいるところだったんだ！
１曲聴いて行けよ！」
そして退化人間たちは音楽を演奏した！
へんてこな歌だった！
木の上に座っている女の子が何か霧を吹きかけてくる
そんな歌だった！
チキンマンはちょっと地球にいる百合子のことを思い出した！
「百合子さんは今ごろどんな敵に捕まってるんだろう？
そうだ退化人間！
お前達は今、地球がたいへんだって事を知ってるか？」
Aと書いてある退化人間が答えた！
「もちろん知ってるさ！
子供は学校にも行けないそうだな！」
B2と書いてある退化人間が言った！
「みんなマスクをしてるせいで笑顔が見えないらしいよ！
悲しいよな！」
チキンマンは寂しそうに言った！
「そうなんだ！
いったいどうなっちゃうんだろうな？
俺は時々地球に帰りたくなるんだよ！
俺は時々どうしていいかわからなくなるんだよ！」
するとMの退化人間が言った！
「悩んでるようだな！
けどいいかいチキンマン！
どんな事でも２つに１つだ！」
「どういう意味だ？」
「どんなに悩んでも答えは２つしかない！
君はそのどちらかを選べばいいんだ！
俺たちはそれを難しい言葉で”選択の自由”と呼んでる！」
「２つに１つのわけがない！
サーティワンに行けば３１個も悩むじゃないか！」
「いやいやチキンマン！
３１種類のアイスクリームのどれかを買うか？
それともアイスクリームを買わないか？
やっぱり２つに１つなんだよ！」
チキンマンは少し考えた！
「ははーん！なるほど！確かにそうだ！」
普通の人だとよくわからない話だったが
チキンマンは普通の人ではないので
Mの退化人間の話がよくわかった！
「じゃああれだな！
今の地球を苦しめているウィルスも
人間が勝つかウィルスが勝つか
その２つに１つってわけだな？」
チキンマンの言葉にまた５人が笑った！
Mの退化人間が言った！
「ウィルスが勝つだって？
おいおいチキンマン！
そしたら人間はどうなる？」
「どうなるって・・・みんな死んでしまうだろう！」
「だよな？
でもウィルスってのは人間がいなけりゃ増える事ができないんだぞ！
人間がみんな死んだらウィルスは生きていけないんだ！」
「おお！そうか！
ウィルスが勝ったらウィルスは死ぬのか！
じゃあそれは負けだ！」
「その通りだチキンマン！
選択の自由を使ってごらん！」
「人間が勝つか・・・もう１つは何だろう？」
「君の得意なやつだよチキンマン！」
「人間が勝つか・・・それとも引き分けるか！」
「そう！
ウィルスは人間の邪魔をしない！
人間もウィルスの邪魔をしない！
共存てやつだ！」
「なるほどな！
だとしたら！
だとしたらどうなっても人間は負けないんだ！」
「そうだよチキンマン！
人間は絶対に負けないんだ！」
チキンマンは退化人間ととても仲良しになった！
いつか地球でまた会おうと約束した！
地球に帰ったら中崎町の海鮮屋台おくまんで飲もうと誘った！
退化人間は必ず遊びに行くと言った！
チキンマンがエネルギードームという名前の円盤を降りると
エネルギードームは水をいっぱい吹き出して飛んで行った！
チキンマンはなんだかとてもうれしかった！
自分の円盤に帰って
退化人間がおみやげにくれたレコードを聴いた！
また木の上から女の子が霧をかける歌だった！
聴きながらチキンマンは小さな声で言った！
「そうかぁ・・・人間は負けないんだな！」
ロボットのパーヴォが
『フィンランド歌謡全集その３』をかけろと言ったので
チキンマンは蹴った！
やらかせチキンマン！
お前が地球の事など悩んでも
どうせろくな考えは浮かばない！
（2020年5月20日）
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