ホラー小説って「ホラー」なの?2冊目


最初、分厚さからちょっと萎縮しかけたけど短編小説をいくつかまとめた内容だったのでそこまで読みにくくはなかった。

水・閉鎖空間をテーマにした怖い話たちを集めた内容だそうです。(wikipedia調べ)
時代背景としては1990年代のお話だと思う。

船が原因不明のまま海で動かなくなって調べてみると子供の霊が〜だとか、マンションの貯水槽に死体が〜だとか、そういう話。






正直あんまりささらんかった。
話としては今でこそありがちなものばかりだし、特別描写が惹きつけるだとか、めちゃめちゃ筆が上手いということもなく、昔テレビで見たことあるような怪談を淡々と読まされている感じだった。


なので当然だが他媒体でホラー作品を体験した時のような、ちびり上がるような怖さもない。

まあ今回に関しては本だから、というよりかは中身の方に理由がある気もする。
第一、終わり方が不明瞭なものしかなく、「私が見た・体験したこの恐ろしい出来事は、果たして幽霊の仕業だったのだろうか…」
みたいな煮え切らない締めくくりの話しか出てこない。主人公たちは「いや、霊に違いないだろう…」みたいな語り口を毎回するけど読んでるこっちからしたらマジで判断つかない。

なんか読み手としては「幽霊っぽいな…」とはならずに「まあ慌てふためいてたらそういうこともあり得るだろがよ」って感想にしかならん。


そもそも霊とか関係なく「準備不足のまま未発見の鍾乳洞を探検してたら閉じ込められて死んだ」みたいな話もある。


多分だけど、この本の作者は今世の中に出回っているような、「ありとあらゆる手段を使って有る事無い事ぬかして無理くりにでも怖がらせるホラー作品」というよりかは、「派手さには欠けるけど、実際の生活でも起こりうるような、不気味なお話」を書きたかったんじゃないすかね。

実際話のうちの一つは筆者の実体験から書かれたものもあるらしいです。






そういう感じで、この本はホラーではなかったっぽいです。そもそも小説で幽霊だとか物の怪だとかシリアルキラーみたいな題材扱ってもホラーには多分ならない
んじゃねえかな。

新しめのホラー小説なら手段を選ばずにあの手この手で怖がらせてくるような本もあるんでしょうか。
いい感じの本知っている方いたらぜひに教えてください。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?