フランス🇫🇷文化？クリスマスのストレス

今年も主人の実家、フランスの南西部のボルドー郊外でクリスマスを過ごしています。
今年は主人のご両親が12月頭に体調を崩したこともあり（今は元気になりましたがまだ疲れやすいようです）、
いつもと違う雰囲気ではありました。

そんな、みんなが少し精神的にも肉体的にも疲れ気味の時、
いつも気づかない小さいことに気がつきます。

例えば、クリスマスのストレス

いつも片付けやお食事をサーブするのを率先して手伝っていましたが、
買い物や下準備はゼロから手伝ったことがなく、
半分お客さん的な立場でいました。

今回義理のご両親が体調を崩していたこともあり、
居候している特に主人と私が色々とお手伝いをしないといけないタイミングが多かったことと、お義母さんが精神的にも少し疲れていたことがあり、いつもと違う雰囲気でのクリスマスになりました。

そこで気づいたこと
🔹クリスマスのメニューは、一大事。
イブの夜のディナーと、クリスマスの日のランチが本腰を入れるイベントになります。
イブの数日前から、家族のディナーの最中に、メニューについての本気の議論が行われます。
お義母さんが「前菜はこれ、メインは帆立で、デザートはこれがいいと思う」と言うと、
お義父さんが、「メインはフォアグラをポワレしたものをステーキに載せたものにするって言っていなかったっけ？」
お義母さん「夜にそんなに重いものを食べたくない」
主人「じゃあお母さん用にホタテで、僕たちはステーキとフォアグラにしよう」
お義母さん「アペロにつまめるサンドイッチと、前菜はスモークサーモンを薄く切ったものと、アンディーブのサラダにくるみとチーズを載せたものと、オマール海老と・・」
主人「アンディーブにこのチーズは合わない」
義父「フォアグラとパンデエピスも食べるんだよね？前菜多すぎじゃない？」

と言うような感じで、
時に喧嘩腰になりながら、ディナーの時間中真剣にやりとりをします。
翌日や翌々日に議論が長引くこともあります。
「昨日こう言っていたじゃないか」
「でもやっぱりこっちの方がいいと思ったから」
とまた議論が加熱します。
なかなか決まらないので大変ですが、
ブッシェリ（お肉屋さん）やポワソネリ（お魚屋さん）などで
欲しい部位のお肉や特別なシーフードは事前に予約しないといけないので、これまた一大事です。


結局今年は・・

アンディーブとロックフォール（ブルーチーズ）、くるみのサラダと

フォアグラのテリーヌ（主人が生のフォアグラを買ってテリーヌに）を前菜に

鴨の胸肉と帆立のグリル、じゃがいもとセップ茸のつけ合わせがメインでした。

ちなみに翌日25日のランチはおきまりのコチラ、

ビーフフィレの上にフォアグラポワレ

過去数年は、前菜がシーフードプレートで、みんなお腹いっぱいになってしまってメインがなかったりしました。

生牡蠣とサーモンを前菜、のつもりがみんなお腹いっぱいでメインに辿り着かない年も

🔹クリスマスの準備は、フランスのお母さんにとっての戦争
さて当日の朝、私と主人は仕事や約束があったので各自の作業を。
その間、お義母さんは一人で買い出しに行って（主人が午後に一緒に行こうと言ったのですが、クリスマスイブの午後は買い出しに行くものではない、昼までにすべて済ませないといけない！と言うことでお一人で）
ランチの準備を済ませて、そこであまりの疲れで泣き出してしまいました。

主人と私で「もう休んでいいから、準備は全部僕たちがやるから」
と言うことで私も午後の約束をリスケして参戦。
もう、本当に戦争です。

🔹家族イベントなはずのに、なぜか迎える側が全部用意しホストするのでこれまたストレス
また家族は別々に住んでいて、主人の弟さんやお姉さん、甥っ子さんなどがバラバラとディナーの時間の前に到着します。
その到着時間までに、全ての準備を済ませないといけない、そして床を綺麗に掃除しなければならない・・・などとやることが山積みでお義母さんのストレスが半端ない状態になります。
そもそも来るのは家族（とそのパートナー）で身内だけなので、みんなちょっと早めに来て掃除とか準備をすればいいのでは？と言うか、家が汚くてももはや良くないか？と思うのですが、
みんな気ままなので迎え入れる家にいる人たちが全てを準備します。お義母さんの毎年のストレス、気づかなかったな・・と思いました。（今回はお義母さんがダウンしていたので主人が弟に電話して早めに着いて手伝ってもらったり）

🔹まずアペロ、そして前菜、メイン、デザート
アペロはフランス語圏の大事な文化の一つで、（イタリアでもアペリティーボ文化がありますが）夏の夕方などバーのテラスでドリンクとおつまみで話に花を咲かせ、20時半ぐらいからディナー・・
と言うのが鉄板ですが、
（うちの家族だけかもしれませんが）
クリスマスで超盛りだくさん食べるものがあるにも関わらず、
20時ちょっと前ぐらいに、アペロから始めます。
具体的には、ナッツ、ポテトチップス、小さいサンドイッチ的なおつまみ、などを片手に、カクテルや甘いワインなどを飲みます。
もうここでお腹いっぱいになる可能性大ですが、
それでもやります。
むー不思議。家庭によると思いますが・・

🔹完全に内輪で家ごはんだけどディナー前におしゃれする
前回の記事にもちょっと関連するかもしれませんが、
これは数年前に初めて義理の家族のクリスマスに参加した時に印象強かったポイントです。
準備の時は作業着みたいな格好をしてみんなで働いていても、
ディナーが始まる前に突然
ひげを剃りに行ったり、
アイロンをかけたパリッと白いシャツに着がえたり、
髪を整えてメイクし、着替えてヒールに履きかえたり、
さっきまで一緒に作業服（？）で粉まみれになって汗を流していた同じメンバー、そして完全に家族だけの内輪なのに、
ソワレ（晩）が始まる直前に、
皆、突如カッコよく変身します。
気持ちの切り替えが大事？
日本人の私的にはなんだか不思議です。

🔹プレゼントの準備に命をかける
毎年あの人には何をあげたらいいのか、
と本気で悩み、苦しみます。
家族みんなにプレゼントをするのでかなりお金もかかります。
超プラグマティックな私は、
みんなで欲しいものを事前にリストにして公開して、
手分けしてあげればいいじゃん、とか、

例えば今年は特に家族で色々と大変なこともあったので、
そもそもプレゼント文化を廃止すればみんな楽になるのに、

などと思ってしまうのですが、
それは不可能・・

誰は何が欲しいかを探り合い、
家族であの人は何が欲しいと言ってた？と聞き合ったり、
ショップを練り歩いてプレゼントのアイディアを探したり、
それでも直前までアイディアがなく悩んだり、
と一大事です。

でもツリーの下にプレゼントを並べて、
みんなで順番に開けて行く瞬間はとっても楽しいので、
やっぱり苦労するのは必要悪？

ちなみにフランスでは（もしくは私の義理の家族の伝統では）
深夜24時にプレゼントを開封し始めますが、
一人一人ツリーの前に出て行って自分の分を開封して行くのをみんなで見てわーわー言うので、
最後の人が開封し終わった瞬間には、
かなり遅い時間になっていてみんなぐったりしています。
今年は流石に早めに開封して早めに寝ましたが・・

と言うことで、色々と不思議なことや、
あれ？と思うことがありますが、
これも文化の一つ、
郷に入ったら郷に従え、ですよね。

つぶやきでした。