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59歳👩腰椎手術翌日


さよならICU

看護師さんが迎えに来てくれた。どうやってストレッチャーに移動するんだと思ったが天使たちは慣れたものだ。痛くないよう配慮してくださりながらスルリと魔法のように移動した。細く、スタイルのいい天使たちは神と人との間にいる立場で人ではないから力があるのだ。背中に大きな羽があるから私のような重たい人間を動かすときはあの羽でふわっと一瞬飛ぶに違いないと思った。そう信じた。それにしてもICU残留の状態にならず、定時で移動出来たのは嬉しかった。
ICUの天使たちに「大丈夫、だんだん痛みがひいてくるから頑張れ~!」って言われていたら頑張れなかったかも。いや、生き続けなければいけないが究極の状態の時の声がけっていうのは本当に難しいものだと思った。人の心が過敏になっているので普段なら気にならない言葉も突き刺さるかもしれないし、心を折るかもしれない。そのような教育をしっかりとうけているんだろうなと。

ただいま、一般病棟

私の病室に戻ってきた。入院前に2日いただけだが郷里に戻ってきたような思いになっている。手術後が相当つらく、頭がバグっているからに違いない。
病室に戻って来はしたが痛みは一向にひかず、辛い。術前の外来時に執刀医が話していたことを思い出した。「術後に血腫が出来る人がいるんです。その場合は数日以内に再手術です。」と言われ、単純に大変だなと思いながら「了解いたしました。」と答えた。血腫を取り除かないと半身不随や死亡リスクが高まるから、そりゃ再手術せなあかんやろと。
今、それを思い出すと恐怖で震えるわ。「絶対に嫌やぁ~~~~~~!」とシャウトしてしまいそう。これから数日間はおびえて暮らさなあかんわ。

続く痛み

痛すぎて、どうにもならず鎮痛剤を打ってもらうと吐き気が酷くなる。食事の匂いを嗅ぐだけで気持ち悪くなるので食べるどころの話しではない。それでも鎮痛剤が欲しい。薬物中毒患者のようだ。

術後の主食はどうしますか?

看護師に術後の食事はどうしますかと聞かれたがよく理解できなかった。要は食べにくいと思うのでパンとかおにぎりとかを選べるらしかったのだが普通で大丈夫ですと答えた。
術後、痛みが強すぎて起き上がられず「あ~、このことであったかぁ~!」吐き気で食べられないのが幸いであった。目の前に美味しいものがあるのに食べられないのは辛すぎる。それにしてもきめ細やかな配慮に驚いた。

低いSpO2

コロナで一躍有名になったSpO2(酸素飽和度)。身体にどれほど酸素を取り込めているかを数値で評価するものである。正常値が97-100%なのだが私の場合は遠い記憶の中でずっと80%台。鎮痛剤を打ってもらうと呼吸できない感じが酷かった。しかも、その苦しい状態の時は自分のSpO2を確認できないのでどのくらいだったのか気になる。鎮痛剤を打った後に死ぬかもと思うほどである。何の薬かを聞いても記憶できる状態ではなかったし、メモできる状態でもなかった。身体に確実に合わないと思った薬はあとからでもちゃんと聞いて書き留めておかなければと思った。術後2日目もずっと酸素を嗅がされた状態で日中何度も測定に来る。やはり低い。看護師は「はい、深呼吸して~。もっと~。はい、OKですね!」ってそんなんでいいんかいと思ったが自分で努力して呼吸して取り込めるのならば良いのだろう。昨日は戦争や震災の人達を思って過ごしたが、DAY2は息苦しいのでコロナに罹患した方々の事も思った。あの頃は麻酔薬がかなり品不足になったのだが意識がある状態で酸素を取り込めない肺の状態だったら意識がない方が楽だからしょうがないな~などと考えた。

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