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金の砂、銀の雨~齋藤芳生のエッセイ~

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齋藤芳生がこれまであちこちに発表したエッセイをまとめています。
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#短歌往来

もし神が、お望みならば~アブダビ通信 最終回~

 初めて校長のサルマ女史に会った時、別れ際に彼女がにっこりと笑って、――じゃあミズ・サイ…

齋藤芳生
4年前
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楽器の女王を探して~アブダビ通信⑦~

 真夏には毎日50度近くまで気温が上がり、湿度も90パーセントを超えるアブダビだが、11月から…

齋藤芳生
4年前
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「アバーヤ」を着たい!~アブダビ通信⑥~

 袖を広げるとそれはまるで、羽化をしたばかりのアオスジアゲハが、ゆっくりと羽を広げている…

齋藤芳生
4年前
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らぁすあぁるはいま~アブダビ通信⑤~

 一緒にラス・アル・ハイマに行きましょう、と、勤務している小学校の校長であるサルマ女史が…

齋藤芳生
4年前
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神の忠実なる僕~アブダビ通信④~

 アブダーラの詳しい生い立ちや毎日の生活について、私はほとんど知らない。彼は、私が勤めて…

齋藤芳生
4年前
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それは、神様の望まれたもの~アブダビ通信③~

 交差点で信号を待っていると、足元の石畳にぽつぽつと音を立てながら灰色の斑点が増えてゆき…

齋藤芳生
4年前
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「ドバイ・ショック」の真ん中で~アブダビ通信②~

 「台風の目」の中がびっくりするほど静かなように、その渦中にいるとあまり実感がわかないものなのかもしれない。  2009年11月25日、アブダビの弟分であるドバイ政府が、政府系の持株会社「ドバイ・ワールド」の債務返済繰り延べを要請すると発表。「ドバイ・ショック」の始まりである。  「ドバイ・ワールド」というのは、日本でも半ば呆れ気味に報道されていた、海を椰子の木の形に埋め立ててつくった「パーム・アイランド」や、やはり海を世界地図の形に埋め立てた「ザ・ワールド」といった大規模な

この海のように~アブダビ通信①~

 美しい街である。  初めてこの街を歩いた日本人の友人は、街全体が日本の千葉にある某巨大…

齋藤芳生
4年前
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