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死を通過点として生きる様

つづき

植物に言葉をかける実験は昔からメディアで何度も紹介されてきた、とり立てて新鮮味のあるものでもない。にも関わらず定期的に友人に質問されたり話したりする機会に恵まれる。

先月もあるサークルにてりんが研究について話すと、皆が写真をじっくり見ようとりんの周囲に集まった。
「わぁ!」「すごーい!」「やってみたい!」と好奇心に満ちた声。
肯定的な言葉かけと見守りだけなら自信を持ってオススメしたい。

「その研究のこと、はんちゃん仮名に話しても良いかな?」とサークルのリーダーに聞かれたので、りんは頷き、私も「ぜひぜひ。」と二つ返事で承諾。(はんちゃんのことはよく知らないけれど。)

さらに「来月はんちゃんのオンライン会あるから参加してね。質問があればまとめとくと良いかも。」とお誘いを受けた。

吉兆の兆し。

はんちゃんがどんな方なのか妙に気になり検索してみると即hit。

K大学 Y川秀樹研究室出身 素粒子物理学・非線形物理学者、理学博士 、◯◯法人理事長、I大学名誉教授

りんは一昨年小3頃より素粒子物理学に強い興味を抱くようになり、毎日「陽子、電子、中性子、、、」と唱え続け、とうとう素粒子物理学者とのご縁が繋がる時が来た。(と言うのは大袈裟。一方的にそう言わせてほしい。それにしても一体どんなサークルかは今後の記事にて。一言で表すと、世界の言語を使って遊ぶ親子クラブ。)

さて、そのはんちゃんが今現在どんな活動をされてるのか更に深掘り。

仲間の方々と非営利法人を設立されたのは約2年前。高度な専門性を持った人材(院卒の博士の方々)が社会で活躍できるような仕組みを構築されたり、科学者と一般市民を繋ぐ親子教室を開催したりと、御年86歳にしてバイタリティ溢れる女性ということが分かった。頭が上がらない。
それにしても何かとてつもないエネルギーを感じる。




最新のはんちゃんのブログも読んでみることに。

高校の同級生の仲良し7人組の内、はんちゃんの旦那さんを含め5人が既に他界したとあった。残っているのは、はんちゃんともう1人高橋さん仮名という男性。高橋さんは、負債総額1000億円年間赤字数十億円という大企業を何社も再建させた経営の天才。はんちゃんはいつものんびりしている高橋さんの苦労をこの歳まで全く知らなかったそう。

そしてお二人の会話を少し紹介したい。

「トリチウムってなんやねん?」という高橋さんの質問から始まり、
「原子は真ん中に原子核があって、その外を電子がうろうろしているのや。この外側をうろうろしているえらい軽い電子がちょっかい出して、、、(中略)」と、はんちゃんのかわいい解説とお二人のやりとりが漫才のように面白く、その会話の締めくくりには高橋さんから、

「あんた、ちょっと提案やけど、あんたええことやってるみたいなんで・・・。どうやろ、年に100万円僕が死ぬまで毎年寄付するのは。」

(中略)

「どちらか先にいなくなると、それで終わりになるなあ、お互いに長生きせんと頑張って生きていかんといけないねえ。」

四苦八苦していた財政問題が楽になり、何とか(NPOを)続けられます。

で完結。

胸を打たれた。
最前線で尽力されてるお二方の穏やかで揺るぎない自信。86歳にしてこんな事言えるかな。言われるかな。

生に媚びず、死を怖れず、淡々と。

この会話にたどり着く為に私はここまで深掘りしたらしい。ここまで読んでとても清々しい気持ちになった。

高橋さんはベトナム建国の父ホー・チ・ミン、はんちゃんはウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が好きなことも紹介されており、私の好きな指導者と同じだったことも嬉しい。



はんちゃんとのご縁が繋がったわけでは無いけれど、子どもたちはいつも私を大切な気づきの方向へと導いてくれる。


植物に思いを伝える実験が1年半後に新たな芽を出し、すくすくと成長中。

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