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焚き火初め

正月に海岸で焚き火するのがここ数年の定番となっている。ライター兼カフェオーナーという夫(年末年始は稼ぎ時)を持つ娘も参戦、ついでに娘の親友もやってくる。煙くさいまま帰宅させるのはしのびなく、帽子とアウターとパンツは貸出。いつもお世話になってるWORKMANさんで双子コーデ。今年は親友が弾丸帰省し、入れ替わりで娘と私がお菓子教室で一緒だったmちゃんが来てくれた。年によっては友達数人、その家族なども合流するが、今年は四人でのんびり穏やかに。道路も空いてたし、人は少ないし、風もほとんど無く、最高オブ最高。

mちゃんに初めてのファイヤースターターによる火熾しをやってもらう。なんでも器用にこなす彼女、あっという間に火花が麻縄に燃え移る。薪にも火がまわってきたらまずはケトルで湯を沸かす。ミニカップ麺4個にちょうどぴったりの量。焚き火遊びをするようになってから4年くらい経つが、その間に食べたカップ麺の数は、それ以前の50年以上の間に食べた数より確実に多いと思う。

ちょっとおなかが落ち着いたところで、牛タンをゆるっと焼き、赤から水餃子鍋を煮る。ししゃもとうずら卵とウインナーは、前に娘にプレゼントされた段ボール製の燻製器に入れる。桜チップの塊が湿気ってるが、2個使って盛大に煙をたてる。途中ひっくり返してだいたい2時間、ししゃもはもう少し加熱足りない感じだったので、炭火で追加の炙り焼き。

もう一度お湯を沸かし、夫が珈琲豆を挽く。焚き火を眺めながら飲む珈琲は美味しい。海の上はうすく全面的に灰色の雲がかかっていて、残念ながら富士山はちらっとしか見えないが、いつも寝っ転がる岩場から見おろす景色はひたすら平和でうつくしい。

もう入らない、と思いながら元旦に仕入れた焼き芋をあっためる。直接炭の上では焼けすぎるので、そこらへんの平らな石を炭の上に置いて温め、石の上に芋を置く。この焼き芋は娘の旦那ちゃんの妹さんが初詣客相手に販売してるもの。もとは旦那ちゃんのお母様がご自宅の庭でつぼ焼きの芋を受注販売してるのを、お嬢さんがバイクに積んで売りに出たのがはじまり。じっくり遠赤外線で焼いた芋は驚くほど美味しい。たとえ胃袋が限界だとしても。

岩場の潮溜まりにある小石をひっくり返したら、もぞもぞ動くものがいた。指でつまんでみたら、赤茶けたちび蟹だった。ツワブキの葉の上に乗せて水に浮かべる。やがてつるんと海に戻っていった。

公園のチャイムが16時を告げ、風が少し出てきた。細めの薪をちょいちょい足しつつ、周りを片付け始めて、17時前には退散。帰宅し、娘の親友のご実家からいただいた松阪牛の激うまハンバーグをオーブンで焼いてみんなでゆうごはん。あらゆる美味しいものを食べまくる一日。

ワークマンのあったかいパイロットキャップは気に入ってもらえて、そのままお持ち帰りとなった。アウターとパンツは洗濯して次回に備える。煤だらけの鍋やケトルを洗い、肉を焼いた鉄板を磨きながら、次はいつかな、どこかな、とワクワクするまでが焚き火である。

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