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学校心理士の活動と心理学

学校心理士の活動の特色
①学校心理士は学校教育の一環として援助サービスを行う
②学校心理士はすべての子どもを援助活動の対象とする
③学校心理士は子どもの学校生活(学習面、心理・社会面、進路面、健康面など)における問題解決の援助を行う
④学校心理士はLD、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、高機能自閉症など障害のある子どもの学校生活の充実に向けて援助する
⑤学校心理士は教師、保護者、地域の援助者(専門家、非専門家)と援助チームをつくりながら援助サービスをすすめる
⑥学校心理士は心理教育的援助サービスのコーディネーションに貢献することができる
⑦学校心理士は、教師・保護者・学校組織へのコンサルテーションを通して、子どもの教育環境の改善に向かって努力する
⑧学校心理士は視点の異なる臨床心理士やカウンセラーなどと連携することによっていっそう援助効果をあげることができる

学校心理士は学習支援、学校教育相談、特別支援教育(障害児教育)、養護教諭の活動、SCの活動をカバーする。中核の活動に焦点をあてた3つの領域

・教育心理学(教育という事象を理論的・実証的に明らかにし、教育の改善に資するための学問)
①教育心理学は心理学の一分野、学校心理学は学校教育と心理学双方のさまざまな領域の統合をめざす
②教育心理学は学校教育だけでなく家庭教育や社会教育も含むが、学校心理学は学校教育に焦点をあてる
③教育心理学は教育活動全般をあつかうが、学校心理学は教育における援助サービスに焦点をあてる

・臨床心理学(心や行動が病的な状態に陥っている人々の心理を対象とする専門的な援助学)

学校心理学では心理教育的援助サービスは一人ひとりの子どもの問題状況の解決を援助する活動。
①臨床心理学では「個人」に焦点をあてるが、学校心理学は「環境の中にいる個人」に焦点をあてる。心理教育的援助サービスは環境面への介入という視点を重視する
②臨床心理学は内的世界に焦点をあてるが、学校心理学は学校生活という現実世界に焦点をあてる。(障害をもちながら、どう学校生活を充実させるかに焦点をあてる)
③臨床心理学は個人の認知・情緒・行動面での偏りに起因する問題に注目するが、学校心理学はずべての子どもを対象とする。

・カウンセリング心理学(個人が遭遇する困難を克服して、その人なりの特徴をフルにいかして生きていけるようになるのを助ける専門的援助過程)
学校心理学での心理教育的援助サービスは、子どもの自助資源を発見し促進しながら、子どもの問題解決と成長を援助する活動であり、カウンセリング心理学と共通するところが多い
①カウンセリング心理学は乳幼児から高齢者までを対象で結婚・家族、産業、学校などで幅広いトピックを扱い、学校心理学では学校教育のトピックに焦点をあてる
②カウンセリング心理学はカウンセラーによるクライエントへの面接を中核的な活動とするが、学校心理学は子どもへのカウンセリング(直接的援助)が中心、問題状況のアセスメントに基づく(援助者への)コンサルテーション(子どもに対しては間接的な援助)が
③カウンセリング心理学は専門家によるカウンセリングに焦点を当てるが、学校心理学は専門家を含むチーム援助を強調する。






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