「Missing 神隠しの物語」甲田学人


これは“感染”する喪失の物語。伝奇ホラーの超傑作が、ここに開幕

煽りを丸パクリでスタートはしましたが…

最初に書く感想としての書籍が本当にこれでいいのかというのはもちろんあるのですが、学生当時の自分が大好きだった小説の新装版が出たのであれば
記載するのはこれに!と決めていました(笑)

〇具体的な感想として
まず、この作品には甲田大先生のいうところの多数のメルヒェン要素が含まれています。表現があまりにも巧みなため、読むと登場人物の痛みをリアルに想像し、鳥肌が立つほどです。
そのため、この種の表現が苦手な方にはお勧めできません。

作品の世界観は非常に独特です。また、物語は定義や価値観に疑問を投げかけ、斬新な理論を展開することもしばしばあり、読者の価値観を変えるほどの影響を与えることもありました。

この作品が全ての登場人物を好きにさせる作品ではないことも指摘しておきます。メインやサブメインの人物が全てがラノベのように強力な力を持つ訳でも強い意志を持つ訳でもありません。
全員に共感できるわけではなく、時には嫌悪感を抱く人物も出てくるかもしれません。しかし、それだからこそ、深く愛せる人物に出会えるのです。彼らは無敵ではなく、それぞれが弱さを持っているため、そこに共感できるのではないでしょうか。

先にも述べた通り、この作品はホラーではなくあくまで「メルヒェン」です。
引き込まれていく世界観、魔王様の穿った物言い、振り回される登場人物
すべてが魅力的ですので、ぜひ本屋で見かけた際にはお手に取ってみていただけたら幸いです

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