ブタ、ウシ、ニワトリの恣意性について
ブタ、ウシ、ニワトリが人間の食べ物であることは完全に恣意的なことです。
恣意的とは思いつき/勝手きままに/根拠がないという意味です。
恣意という言葉はしばしば言語学という学問で使われることが多いです。実際私も大学で世界の言語学を学んだ際に「恣意」という言葉をよく使うようになり、漢字も覚えました。
そしてよく恣意性を説明する際、言語学で引き合いに出されるのが犬という言葉です。「日本人はなぜワンちゃんをいぬと呼ぶのか?」ワンちゃんをinuという音で呼ばないといけない理由はなくて、四足歩行で毛が生えてて誰もがわかる動物のことをinuと呼んでるという話です。(本当は日本語には恣意的なものは一つもないというお話はここでは割愛させてください。)
今のところ人間がブタ、ウシ、ニワトリを絶対に食べないといけないものである理由は一つもないです。勝手きままに、思いつきであることは確かです。だからぶっちゃけ、イヌでもネコでもウマでもよかったということです。
だから勝手きままに、思いつきで、根拠もなく、
ということをやってのけてるということなのです。
恣意的なのでブタ、ウシ、ニワトリがアザラシ、カバ、キリンでも良いし、イヌ、ネコ、ウサギでもいいということです。
しかし、ブタ、ウシ、ニワトリが恣意的に食べ物にされてるということがバレると困るのかなんなのかわかりませんが、恣意的だと言わせないために、
という根拠を掲げていますが・・・。
タンパク質が身体の中に入ってそのままタンパク質になると思ってる方が一定数いるのですが、タンパク質というのは炭水化物に還元させてからいろんな用途に利用されます。しかし、炭水化物に還元する行為自体、人間の消化管にとても負担がかかります。また、肉のタンパク質を体内に入れると腸内細菌の中でウェルシュ菌という菌が異常に繁殖し、人体に悪い影響を与えます。ウェルシュ菌は肉のタンパク質をアミノ酸に分解させます。分解の過程でアミン、スカトール、アンモニア、硫化水素という有害物質を出します。これらの毒素は腸壁を超えて血液の中に溶け込んで全身に巡ります。中でもアミンという物質は胃腸内で*亜硝酸と結びつき、とても強い発癌性物質「ニトロソアミン」となっていきます。アミンが亜硝酸と出会うという危険な化学変化は自然界で肉食動物の中でのみ起こることです。*亜硝酸は加工肉の発色剤に使われますし、野菜の中に元々あるものでもあります。
したがって、肉のタンパク質で人間のタンパク質を作ることは可能です。が、一度炭水化物に還元しないといけない手間や、分解の過程で有害物質を出さないといけないというかなり犠牲になる部分が多く良い栄養素とは言えないのです。また、タンパク質の異常による難病は年々増え続けており、タンパク質の異常の原因が未だに解明されてないとはいえ、人間がタンパク質を合成する際の材料について慎重になることはタンパク質異常を防ぐためになるのではないでしょうか。
そして必須アミノ酸なのですが・・・。
必須アミノ酸の定義を意外とわかってない人もいるのではないかと思ったので書いておきます。
私はこれまで人間だけが体内でアミノ酸を合成することができず、仕方なくブタとウシとニワトリを食べているのだと勘違いしていました。そう思ってる人はたくさんいると思います。必須アミノ酸という言葉の使われ方がいつもブタとウシとニワトリを殺して食べることを正当化するためだけなので怪しいと思っていました。
実は必須アミノ酸は他の動物にもあるということをご存知でしたか。
ということは魚、ラット、イヌ、トリ、ネコも9〜10種の必須アミノ酸が必要となるのでブタ、ウシ、ニワトリを食べないといけないのでしょうか。
明らかにおかしいです。
「必須アミノ酸をとるためにブタ、ウシ、ニワトリを食べないといけない」とは言えなくなってきます。なぜなら他の動物はブタ、ウシ、ニワトリを食べず、必須アミノ酸不足になっていないからです。ブタ、ウシ、ニワトリは恣意的に食べられているだけなのですから余計におかしいのです。
陸上の動植物を食べない魚にも10種の必須アミノ酸があるのであれば、少なくともその魚を食べていれば人間の必須アミノ酸は間に合うということもあぶり出されました。
とにかくこの記事ではブタ、ウシ、ニワトリでないといけない理由はひとつもなく、勝手気ままにそうなったということを知っていただけたら幸いです。
たんぱく質についての関連記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?