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Claris Filemaker x Magento(其の一)

今日はちょっと(本当にちょっとだけど)専門的な事を書こうと思う。
以前も記事にしたのだけど、弊社のシステムについて記事にしたい。
(あ、私はFilemakerやMagentoの回し者ではございません)


8年前に専業主婦から夫にそそのかされてアメリカはコロラドに引っ越し、刺繍会社を買い、汗水たらし、冷や汗で凍り付き、なんとかかんとか今年で9年を迎えることができた。周りがコロナやら物価高やらでばったんばったん倒産するなか、中小零細企業ながらも9年目を迎えることができたのは、多分、ちょっとずつでもIT化を進めてきたからだと思う。

弊社は当初100パーセント紙ベースxフロッピーディスクの会社体系をほそぼそとFilemakerというプラットフォームを使用し、サーバーをクラウド上に設定し、クラウドにあるデータベースに顧客情報、刺繍データ、糸情報、注文をすべて保管し、更には注文状況をトラッキング、APIを使用して、注文状況を随時に追跡、経理も二重入力なく経理ソフトにデータを転送、商品の出荷もUPS(アメリカの宅急便)の伝票をボタン1つで作成できる。

ここまで書くと、もしかしたら日本のあなたは「そんなの当たり前のふろーでしょ?」って思うかもしれない。ところが、アメリカではそうでもない。8年前まで弊社も余裕でフロッピーディスクを使っていたし、アメリカは格差が大きい。教育の格差、富の格差etc。特に教育の格差には愕然とする。
Googleやテスラをけん引する最先端技術を操れる人もいれば、PCのキーボードすら使ったことがない人もいる。一つの住所を入力するのにどれだけかかるか。ましてや誤字脱字は当たり前。利益率が低い刺繍業では社員のミスは会社のロスに直結する。刺繍データや糸のデータ、紙で保管すると、膨大なスペースも必要だし、データが記入してあるぺらっぺらの紙がなくなっただけで、社員全員で血眼になって探す。あ、いまだにウチのエリアはインターネットは光回線じゃぁありませんよ。

そんな状況だったから、データベース導入は急務だったし、クラウド上にデータを置くことで、家でも会社でも、一時帰国した日本でも仕事ができるようになる。

そこで当社が導入したのはClaris Filemakerだった。Filemakerをご存じない方に一言でお伝えするなら、Visual Basicのノリで簡単にデータベースとそこに入力するための画面を作成できる。簡単なデータベースのリレーションシップが分かれば、欲しいシステムが(ある程度)自分のイメージ通りに自分で作ることができる。

もちろん、シロウトの私がこんな大口をたたけるのは、ここまで私を連れてきてくれたライジングサンシステムコンサルタントの岩佐社長や貴重な情報をウェブサイトに公開してくれる奇特な方々のお陰だという事は言うまでもないのだけど。

 アメリカは物価が高騰し、景気も停滞していて、今までのBtoBの会社形態だけでは難しいということで9月にe-Commerceサイトを作り始めた。CMSは色々あるのだけれど、オープンソースのMagentoというプラットフォームを使う事にした。WebプログラミングはHTMLとCSSと多少のJavascriptでいっぱいいっぱいの私がMagentoに手を出してしまったのは、不覚だったけれど、インドに依頼したウェブサイト制作が高額を支払ったのに空中分解してしまって、低価格でe-Commerceを実現するためにやむを得ない選択だった。

 HTMLとCSSと多少のUnixの知識しかなくて、なんとかMagentoのサイトを作り上げたけど、中身をよーく見てみると、実はFilemakerでデータを管理している。イマドキAPIという素晴らしいツールがあるので、PHPやらMaria DBやらっていう私にとっては仲良くなれそうもない言語で書かれたシステムだったとしても、FilemakerからRest/あるいはSoap APIを発行し、オーダー管理、在庫確認をして在庫がなければ、アパレルメーカーに発注も自動でしてくれるシステムを作ることができる。MagentoをAWSにインストしてフロント画面つくってFilemakerでBack作って、そこまで来るのにわずか3か月。どうです。Filemakerすごいでしょう?しかもIT畑じゃない私が。

Magentoのいい所はオープンソースで誰もがいじれるし、基本無料で使える。Magento自体にない機能もextensionという別モジュールをインストールすると実装できるし、モジュールもありとあらゆるIT会社が販売していて、割と安価で(無料のも沢山あるし)手に入る。悪い所は…オープンソース故なのだが、モジュールを追加すると、基本の機能が壊れる恐れ(多々)あり。しかもモジュールを販売している会社は海千山千。サポートしてくれない会社もあるし、インストールしたら核の機能が使えなくなったということもよくある。

ただより高いものはない...。
バックアップから復元することしばしばあった。新しいモジュールを導入すると、全てをテストしなくてはならず、ほんと恐ろしい。

最低限の機能をMagentoに実装し、HTMLとCSSで最低限のウェブページを作成し、あとはFilemakerでデータを管理。弊社はそんな感じでサイトを運営しています。はい。

実際の様子は次回へ続く。




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