5月になっても能登は変わっていない?地震発生からの優先順位を確認
2024年1月1日に発生した能登半島地震。4カ月経っても輪島朝市のあった本町通りの瓦礫は残ったままなことから、何も変わっていないという指摘が聞かれます。何一つ変わっていないか、地震発生から行政が取り組んできた優先順位を整理して、私なりに考えてみます。
1.道路の復旧
地震直後に寸断された道路網は応急復旧され、緊急車両や地元住民以外も通行できるようになりました。
2.電力の復旧
概ね1カ月後にはほぼ全域で復旧しました。被害が甚大な地域を除きます。
3.罹(り)災証明の発行
多くの地域で一次調査が終了し、納得いかない人のための二次調査が行われている最中です。
4.上下水道の復旧
上下水道の復旧が進んでいます。通水していないのは、主に輪島市と珠洲市の一部地域(3千世帯)です。ただし、通水しても個人宅の敷地内配管が損傷しており、水道が利用できない世帯は多数にのぼります。
5.1次避難所の縮小
電気・上下水道の復旧がはじまったため、1次避難者は減少しています。ただし、危険な家屋に住んでいる人や避難所を出ても衣食住が足りていない人は残っています。
6.仮設住宅の建設
仮設住宅は目標の半数程度が着工済み。8月下旬の完成を目指しています。
7.なりわいの復活
被害の大きかった輪島市や珠洲市でも、飲食店の営業を再開しているところが増えてきています。ただし、なりわいの基盤を失い、収入が途絶えた人は多数います。
8.倒壊家屋の解体(ガレキの撤去)
ようやく公費解体がはじまったところ。平成25年10月までの完了を目指しています。
9.新しい住まいの確保
公費解体後の新たな住まいについては、まだこれからと言ってよいでしょう。
まとめ
2024年5月現在、解体されていない家屋や撤去されていないガレキを見て、復旧は進んでいないという意見が見られます。
しかし、今回の地震で行政は、寸断した道路網や電力網、上下水道を復旧することを最優先に取り組んできたと考えられます。
なりわいの復活やガレキの撤去はこれからです。復旧が一切進んでいないのでは無く、復旧するための基本的インフラがようやく応急復旧してきたと私は捉えています。
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