【葬送のフリーレン】ヨルシカの晴るは旅の途中を描く
気ぜわしい日常でも、葬送のフリーレンだけは定期的に見ている。配信があるので、夜中に子どもたちを起こさなくていい。フリーレンだったら、能登半島の被災地にどんな魔法をかけるだろうか。地震でさえも、数千年生きるエルフにとっては、珍しいことではないのかもしれない。なにも魔法をかけないのかも。
さて、第2期のアニメ・オープニングテーマは、ヨルシカの「晴る」。私はほとんどヨルシカを聞いたことはないが、幻想的で象徴的な詩が特徴のよう。
晴るは造語で、これから晴れる様子を表しているそうだ。私は、晴れると春の2つをかけていると思う。葬送のフリーレンの世界では、北側諸国の冬は人の命を奪うほど厳しいものとされている。雨から晴れ、冬から春に向かう両方を描いている。
また、歌詞で出てくるビイドロも懐かしい言葉だ。ガラス細工を意味するらしい。
この詩の目線はフリーレン、貴方はヒンメルのことを指していると思う。
1番ではヒンメルの目がガラス細工そのもので、これから晴れることを感じさせる。2番は目にガラス細工が映り、いま降っている雨が見える。
最初は、ビイドロの目を持つヒンメルに興味を惹かれているが、そのうち、ヒンメルの目に映るビイドロのような多面的な現実世界に気付く。ヒンメルは亡くなってからも、フリーレンにいままで気付かなかった視点を与えている。
葬送のフリーレンは、ヒンメルの死後、フリーレンが勇者パーティのたどった足跡を確認することで、意味を確認する物語だ。魔王が討たれパーティーの構成が変わっても、同じ道筋でも気付きはたくさんある。
晴れの日でも雨が降っていても、必ず晴れはくる。
最初の旅を思い返せば晴ればかりを思い出すが、再び巡る旅では雨が降る日も多い。それでも、フリーレンは風が凪ぐさわやかな晴れが広がる春の存在を知っている。
ヒンメルとの旅を思い出しセンチメンタルになることもあるが、人の心を知るために始めた今回の旅を、フリーレンが心から楽しんでいることを願う。
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