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第6話【家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった】大丈夫の意味

筆者は子どもの授業参観に行くたびに発見がある。気持ちがリフレッシュされて明日からもがんばろうと思う。しかし、七実と草太のジェットコースター話での発見はその程度の薄さではない。

今回の放送は、七実が家を出るときからエピソードが満載で厚みがある。草太がペットボトルのフタをあける、小学校のときの友達と言葉を交わす、自販機で飲み物を買って小銭を作る。ひとつひとつがnoteで長文が展開されたお話。さらっと描かれているがかえって感慨深い。たぶん、岸田奈美さんのマガジンであるキナリマガジンを読んでいない人が見てもそれなりに感じるはず。

後半では、草太とのお出かけの様子を七実が書いたものがバズるエピソードが紹介される。第6回は終始、草太の回である。草太のおかげで、七実は家族とともに生きる、悲劇を喜劇にすることを知る。
前回までどん底だったドラマは明るさを取り戻していく。この絶頂に浮かれて叫びそうなのに、筆者はなぜか涙が出てしまう。

これが放送された日は父の日だった。食卓にごちそうとケーキ・手紙とプレゼントが並ぶ恒例行事が日本中で繰り広げられる。しかし、岸本家にそれはない。お父さんが既に亡くなっているからということもあるが、それ以上に感動的だ。いないはずのお父さんの幻がそっと現れる。これ以上の父の日があるだろうか。

七実が「○んでしまえ!」と言ったことを詫びると、耕助さんは「大丈夫」と返す。ああ、ここで前回の「大丈夫?」と繋がるのだ。前半のハイライトと言ってもいい神回だった(語彙力)

さて、今回は推しのマルチの出番が長く大満足と思ったら、編集者の小野寺さんが爆発していた。これからどれだけ濃いキャラが追加されるのだろう。次回からの作家編が楽しみである(勝手に命名)。

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