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断頭台のアウラは師弟の物語だった【葬送のフリーレンvol.4】

葬送のフリーレンは、戦闘シーンがあっさり終わるのがよき。人と人との関わりに重きをいているのが分かる。人といっても、人間だけではなくエルフやドワーフ・魔族もいるが、総じて相関関係を扱っている。

11月10日放送のアニメでは、エルフの魔法使いであるフリーレンと、師匠である人間の大魔法使いフランメとの交流が大部分を占める。アウラとの戦闘シーンは5分ほどである。

戦闘が表舞台だとしたら、膨大な準備期間が必要だと思わせる放送回だった。全滅したセルフの里から救い出され、魔力制限という生きる術を教わるフリーレン。アウラとの戦いだけではなく、チャンスがいつ来るともわからないラスボス魔王との退治に備えてである。

寿命の長短は関係ない。葬送のフリーレンでは、寿命の短い人間のフランメや勇者ヒンメルが、想像を超える長寿命のフリーレンに大きな影響を与える。数十年の交流が、千年以上生きた彼女の生き方たを変えるほどだ。

それは、フリーレンに師事する魔法使いのフェルンや前衛のシュタルクにも継続される。フリーレンが受けてきた師匠の愛情を、今度は弟子に与えているのだ。フリーレンが気付いているかはわからない。結果として人間の世代が変わっても引き継がれていく思いを、長く生きるフリーレンが達観して見届けるのが構図なのかもしれない。見ているだけではなく、人間の絶え間ない生き様が、フリーレンにも気付きを与える。

葬送のフリーレンは、魔族を倒した後の後日譚だ。新しい旅も新たな魔族のボスを倒すことになるのだろう。そのあと、寿命のある人間は死んで、フリーレンだけが生き続ける。人間の寿命には限りがあっても、エルフが生きている限りは風化することはない。ヒンメルの痕跡をたどるフリーレンの旅は、フェルンやシュタルク・僧侶のザインを加えて行われる。そして今回の旅が終わるとしても一緒にいた記憶は続いていくのである。フリーレンがそれを寂しいと思うようなキャラクターでないのが、淡々と進むこの物語の醍醐味だ。

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