【旅行】
「ななさん、僕、ちょっと自分の買い物もしてきていいですか?」
「うん!大丈夫だよ。何買うの?」
「あ、さっきマグカップ見てた時、犬の形をした箸置き見つけたんですよ。ダックスフンドみたいな。そういうのあったら、ちゃんと自炊もするんじゃないかなと思って。」
「それ、めちゃ可愛いやん!私も欲しいな!」
「じゃあ、一緒に見に行きます?色々種類ありましたよ」
「行く行く!でもさ、
りゅうのすけ君の発想が、そもそも面白いよ。
箸置きがあれば自炊できるの?」
「箸置きがある家って、料理をちゃんとしてる感ありませんか?勝手な妄想ですが笑。
ちゃんとしてる感が出るから、料理もするようになれるかなって」
「形から入るってタイプだね。」
「そうです、そうです。笑」
「りゅうのすけ君、よく"変わってる"って言われない?」
「言われます。笑」
(あぁ。やばいなぁ。。)
わたしは、個性が強かったり、変わってる人に惹かれる傾向がある。その上、りゅうのすけ君は、なんか、真っ直ぐで、ピュア。
どこを取っても、わたしのツボでしかない。
そして、こんなに氣樂に笑って話せる人は、
わたしにとって、そうはいない。
"切り取って見ている世界が一緒"というか。
同じような世界を見ていてくれて、
行動の意図を説明する事なく、
的確に察してくれるので、一緒に居て、
本当に氣樂だった。
「僕、これにしますね。」
「じゃー、わたしはこの二つ。」
不意に、お揃いの物を持てた事に、
顔がニヤけてしまう。
こうして、突如叶った"デート"は、
嬉しいサプライズも重なって、
私にとって、最高に倖せで豐かな時間となり、
あっという間に終わっていった。
「ななちゃん。そういえば、
あの"夢の男の子"には、もう会えた?」
「なおちゃんーー!
相変わらず、勘がするどいなぁ。」
なおちゃんと"天橋立"に旅行中。
旅館でゆっくりしていたら、
なおちゃんから、いつものするどい質問。
天橋立には定期的に來ていて、
目的はこの土地にある、『籠神社』に参拝するコト。
お伊勢さんも好きだけど、
私達は、"元伊勢"と呼ばれているこの神社の方が、"氣"が合うようだった。
「実は、、いいなと思う人が出來たんだ。」
「えーー!やっぱり!!
そんな氣がしたんだぁ♡♡」
(なおちゃん。"そんな氣がした"にしては、
タイミングが良すぎるのよ。笑)
ここ最近の一部始終を見られていたかのような、絶妙なタイミング。なおちゃんの『勘』は、
もはや、『事実』でしかなかった。
「"夢の男の子"かは、分からないんだけどね」
「そっかそっか♡
まぁでも、好きな人が出來たってコトが、
何よりもステキだよ!」
「そうだねぇ。なんか、今までの恋愛と全然違う感じなんだよね。年齢も離れてるし、職業とかも全然違うしさ。」
「恋愛に、年の差も職業も関係ないよ♡」
「まぁ、そうなんだけどね。
色々考えちゃうっていうかさ。
うまくいったらいいけど、結婚とか子供の事考えたら、わたしよりも同年代のがいいのかなとか、まだ同世代で価値観合う子達と一緒にいたいかな、とかさぁ。」
「そんなの関係ないと思うけどなぁ。
わたしは、そのななちゃんの彼との方が年齢近いから、同世代になるけど、誰よりも、何よりも、ななちゃんと一緒にいるコトが、樂しいよ♡」
「なおちゃんは、別。
なおちゃんは、なんか、この地球の常識が全く通じない場所で生きてる感じがするよ。笑
あ!でも、そういえば。
りゅうのすけ君と一緒にいる時は、なおちゃんと一緒にいる時みたいに、全く疲れないんだよね」
「あ、ひどい。人を地球外生命体みたいに。笑
そして、りゅうのすけ君って言うんだねー♡
それは、すごく氣が合ってる感じだね!
写真とかないの?」
「あるよ!」
なおちゃんに、この前のイベントの時に
一緒に撮った写真を見せる。
何を言われるのか、謎の緊張感で、ドキドキした。
「そっかー!!
ななちゃんの"やりたい事"は、りゅうのすけ君と一緒に進めるみたいだね!」
「え!?なおちゃん、それ、どういう意味??」
「え?なんとなく。笑」
相変わらず、なおちゃんのお告げのような発言。
そもそも、わたしは、
私の"やりたい事"も明確ではなかった。
「とにかく、"これからも一緒にいるご縁"は、
強めって事だね。」
「うん。かなり強めだね。
そもそも、感性の鋭いななちゃんが、そこまでピンと來てるんだから、それが証拠だよ。」
「なるほど。。
じゃーこれから、もっと関係を進める方向で頑張ってみるよ!」
「うんうん!それがいいね!
ななちゃんが氣にしているようなコトは、
まーったく、氣にしなくていいから♡」
なおちゃんの言葉にかなり勇氣をもらって、
進みたくても進めなかった自分の氣持ちに、
もっと素直になる決意が出來た。
(よし、もう一度、神様にお願いしておこう。)
こういう時は神頼みしかない。
昨日、すでに参拝しているにも関わらず、
その翌日も、なおちゃんは、わたしの参拝に快く付き合ってくれた。
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