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歳なんか取りたくない

恋をしているとき、失恋した時、「私と彼は特別だ、運命だ」と思ってしまうし、この気持ちはだれにもわからない、とか思うし、この世の中で私だけがこんな感情なのだと思いこんでしまう。少なくとも私はそういう人間だった。
女は恋を上書き保存する、というのが世の中の定説だけれど、ずっと信じていなかった。一つ一つの恋を、上書きできるような同じものに思える感覚がわからなかった。人生で一番好きだった人との出会いから失恋までの記憶は、もはや恋愛とかそういうジャンルではない別フォルダで保存して、胸の奥にしまっておこうと、つい半年前まで思っていたくらい。

だけど結局、世の中の定説はやっぱりほどほどに正しいのだと最近思う。(ひとえにこれは毎日を楽しくしてくれる彼氏のおかげです、どうもありがとう。)
重ねて申し上げておくが、本当に私の(今のところ)人生最大の失恋は、友人もドン引きするくらいのもので、別れてからほぼ3年間引きずった。誰と会っても元カレと比べ、お誕生日のメッセージや向こうからの気まぐれで繊細な電話に泣き、別れてから新幹線で2時間半もかけて4回も会った。しょっちゅう夢に見たし、もらったものは何一つ捨てられず、大学の同級生同士の結婚を見ては思い出したように泣き、noteを書いてみたりなんかした。そりゃあもう、世の中の失恋した人のやることリストみたいなのは全部やった。今考えたら相当頭おかしいね…我ながら狂ってたな~と思うと同時に、そんな期間は、長さは長短あれど、失恋したら全員が経験すると思うので、いつかは終わることを声を大にしてみんなに教えてあげたい。

26歳になってようやく、一つ一つの恋は、「(世界にたった1個ではない)特別なもの」だと思えるようになったし、わたしは一つの恋の終わりから立ち直るのに結構時間がかかるタイプなのだなということも学んだ。よく考えたら高校生の時に付き合いだした人と別れた後も、結構次に進めなかったっけ。だからもし、今の彼氏とお別れすることになったとしても、先の不安には駆られずに済む気がする、落ち込んでいる自分を受け入れられるし、また時が来たら次に進めると大きく構えることもできる。あ~なんて生きやすい世界!ヘッダーに使ったおとなプリン、という名のお酒の効いたプリンもおいしく食べられるようになったし!大人最高!

と思ったのだが、どうやらそうもいかなそうなことに気付いた。私は比較的付き合ったらそこそこ続くタイプなので、ここから最低でも1年は付き合うと仮定して、そのあと3年間また引きずったとする。
・・・え、30過ぎるね?いや、別に今どき30歳なんて若いし、ちゃんと勉強してそこそこいい大学に入って、そこそこいいところで働いているのだから、それをそんな早々に女の道に切り替える必要もないのだけど、でもやっぱり、ドレスを着るならちょっとでも若いうちがいいなとか、親に孫を見せたいなとか、人並みのことを思ったりもするわけで。あとこれ思うのですが、べつに晩婚化はしてない。結婚しない選択肢を選ぶ人が増えたのは事実かもしれないけど、わたしの学生時代の友人みんな結婚していってる…べつに学歴云々ではないけど、勉強とか仕事に時間を取られて結婚が遅くなるとか子供が遅くなるとか、そういうの、あんまりない気がするんだ…つい先月も高校時代の友人が3人立て続けに結婚式を挙げ、大学時代の友人2人がプロポーズを受けていた。ああ、まぶしい。
かといって、これも友人の話ですが、もう26だし、次見つかるかもわからないから彼氏のだらしないところには目をつぶってる、みたいなことを言っている子がいて、それは少なくとも私は嫌だなと思った。卑下する必要はない、嫌なことは嫌だって言える私でありたいし、それで別れることになったとして、その選択は英断だと思う。

だけど、今まで失恋した時は、まだ若いし(というかそんなことを考える必要もないくらい若かった)、と思って特に焦りを感じていなかったのだけど、そうもいかなくなるのはきっと事実。30を過ぎると、婚活市場での価値は悔しいけどたぶんすごく下がる。この前テレビでさっしーが言ってたけど、女性もある程度の年齢になると、年下の男性がいいと思うようになる、って言うのにものすごく同意した。私も若い男の子がいいもん、そりゃ男の人だって若い女の子がいいよね…その点は仕方ないと思います。

歳、取りたくないなあ。

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