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全てにおいてその人だけが例外になる、よね

わたしも含めだけれど、恋愛のおもしろいところは、全てにおいてその人だけを受け入れることができるようになるところだと思う。そして、「彼はそんな人じゃないの」という思考が多かれ少なかれ生まれるところ。

今日は友達の恋愛の話。

彼女が付き合っていた人は、大学でも有名なくらいの遊び人で、でもとびっきり頭がよくて、要領のいい人だったと思う、少なくともわたしの目にはそう見えていた。

友人とその例の彼の話をするようになったのは、彼らが2年半の付き合いの後に別れを選択した後で、それはそれはわたしにとってはびっくりの連続だった。
そもそも、彼はあまり相手と長く続くタイプではなかったと記憶しているし、(実際彼は遊び人だったので女の子の方が耐えられなかったという話をよく聞いていた)、それゆえに彼女がそこまで彼に思い入れがあったなんて思いもよらなかった。彼女自身も、誰か特定の人と長く付き合うイメージはなくて、だからこそ意外だった。

彼女と話すうちに、あぁ、彼を本当に好きだったんだなと思ったし、彼の方も必ずしもわたしたち外野が思い描いているような人でもなかったのかもしれないと思った。おそらく相当な努力家だったのだろうし、彼女にだけ見せるかわいい一面があった。彼女が時たま口にしていた「彼はそんな人じゃないの」が少し腑に落ちる部分すらあった。

ただ全ての話を聞いていて、あぁ彼女にとって「彼だけは例外」だったんだろうなと思うのだ。リードは長く持っておくこと、信じて疑わないこと、そんなの、たぶん彼女の初恋の時には想像もしなかったことのはずなのになと思う。それからデートの遊園地で観覧車のフェルミ定数について話す人のこと、好きか嫌いかで行けば普通は嫌いでしょう?でも彼女はそんなところすら愛おしいと思っていたわけで…すごい。

先日、「窮鼠はチーズの夢を見る」という映画を見たのだが、その中で、「全てにおいてその人だけが特別になる」みたいな趣旨のフレーズがあってひどくそれに納得してしまった。
本当に恋に落ちるということは、その人の全てをまるで自分の趣味嗜好のように思い込んでしまうことなのかもしれない。
そんな恋ができることは、めちゃくちゃ愚かでめちゃくちゃ幸せなことだと思う。そしてめちゃくちゃ難しいことだと思う。

だから、またあんな恋をしたいと思えるような恋の感情を、彼女と共感できて、それがひどく嬉しい。
お互い、また幸せになりたいね。


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