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【漫画紹介】穂積『さよならソルシエ』

ボンチノタミ、ジョーカーです。

今回紹介したいのはこちらの漫画。

穂積「さよならソルシエ」単行本全2巻が並んでいる画像
小学館フラワーコミックスアルファ
穂積『さよならソルシエ』全2巻

穂積さんの『さよならソルシエ』(全2巻)です。

2013年に発行された単行本で、作者は『式の前日』などを描かれている穂積さんです。
『このマンガがすごい2014』第1位作品なので、読んだことがある方も多いかもしれません。

あらすじ

19世紀末、パリ。
ひとりの天才画商が画壇界を席巻していた。
彼の名はテオドルス・ファン・ゴッホ――
のちの天才画家フィンセント・ファン・ゴッホの弟である。
画家と画商、兄と弟……
ふたりのゴッホの絆と確執、そして運命を鮮やかに描く伝記ロマン、ここに開幕!

『さよならソルシエ』1巻カバー裏あらすじ

『ひまわり』などで有名な画家フィンセント・ファン・ゴッホと、その弟テオドルスの物語です。
売れない画家であったゴッホが、なぜ彼の死後、評価されるようになったのか。
ゴッホの死の真相は? 彼は本当に自殺したのか? 弟テオドルスとは何者なのか?
兄弟の愛情や確執を軸にゴッホの人生を描いた、美しく切ない作品です。
舞台化もされています。

ふたりの<ゴッホ>

兄・フィンセントと弟・テオドルスが物語の中心人物となります。

フィンセント・ファン・ゴッホ

単行本2巻の表紙と1巻の裏表紙の画像。兄・フィンセントの笑顔と真剣な表情がそれぞれ描かれている。
天才画家のゴッホ

子どもの頃から絵を描くことが大好きで、絵を描くことだけを続けてきた変わり者。金や名誉に興味はなく、ただ自分の描きたいものを描きたい、という天性の画家。

テオドルス・ファン・ゴッホ

単行本1巻の表紙と2巻の裏表紙の画像。弟・テオドルスが帽子を押さえている姿と人差し指を口元に立てている姿が、不敵な笑みと共に描かれている。
天才画商のゴッホ

グーピル商会でその手腕を振るう若き天才画商。兄の絵の才能を誰よりも早く見出し、兄への複雑な感情に苛まれながらも、その絵を世界に広めようと画策する。

ここがおすすめ

兄弟の確執

どこまでもマイペースで絵を描くことしか考えていない兄と、その兄の才能を見出しどうにか世に広めたいと画商として活動し続ける弟。
弟から兄へのコンプレックスや苛立ち、憧れ、嫉妬。それに気付かずただ絵を描くことを楽しみ続ける兄。
すれ違って、もがいて、そうして進んだ先に兄弟が辿り着くのは、果たして幸せな結末なのか、それとも。

<ソルシエ>の意味

タイトルにある<ソルシエ>とは<魔法使い>を意味します。
無名でつまらない男の描いた絵画を<炎の画家・フィンセント・ファン・ゴッホの作品>に変える。一体どうやって?
<ソルシエ>は不敵に笑いながら人々を巻き込み、そして壮絶なゴッホの人生を創り上げるのです。

ゴッホの真実?

ゴッホは自分で片耳を切り落とした、精神を病んでいた、自殺だった、などいろいろな逸話があります。ですが、この作品で描かれるゴッホは楽天家でマイペースで、その印象とはかけ離れています。
ゴッホの真実とは、なんなのか。
ゴッホの真実は、こうだったのかもしれない。
我々の知るゴッホとはまた違う炎の画家・ゴッホの姿が、弟の人生とともに描かれます。

「死んでもはなれない」

美しく、醜く、切なく、情熱的で、幸せで、悲しい。愛情、憎悪、羨望、嫉妬……。
ふたりの<ゴッホ>の絆と、確執と、宿命の物語。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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