見返りは、優しさ

東京で一人暮らしをしていた時の話。

私が風邪を引いて体調が悪ければ、

「差し入れ持っていこうか?」

「なんか作りに行こうか?」

なんて言ってくれる、出会って1年経ったか経ってないかの友達。

ずっと気にかけてくれて、お米やご飯、食材を送ってくれた、元バイト先の先輩。

もうそのバイト先には戻ることは無いし、

ましてや私は引っ越してしまった。

私に優しくしても何の得もないし、何か大きな見返りがあるわけでもない。

それでもみんな優しかった。

ひとつひとつは小さな優しさかもしれない。

でも、孤独を感じていた時ほど、優しく心に響いた。

ドラマや映画のような、他の人に語って大きな感動を呼んだり、

語り継がれるようなものではないかもしれない。

私だって、同じような行動をしたことは何度もあるし、もちろん他にもされたこともある。

なんなら通りすがりの道ですれ違っただけの人が困っていたって手を貸す。

そんなの普通だって思われるかもしれない。

だけど優しさをもらった方はもちろん。

優しさを渡した方にとっても大きな見返りがある。

ちょっと困っている人を助けたとき、ありがとうと笑顔で言われたとき。

なんだか頬が緩んで、胸もドキドキして、

なんだか泣いてしまいそうな、それくらい嬉しい気持ちになる。

目に見える見返りなんかなくたって、他人に優しくすることは、自分にも優しくすること。

これは自己啓発でもスピリチュアルなことでもなんでもなくて、事実。

他人に優しくすることが、自分にも幸せを分けてくれる。

あのなんとも言えない幸せな気持ちと時間が大好き。

自分が優しくしてもらったときも、ちょっと相手に幸せをおすそ分けできているのかもしれないと思うと、もっと嬉しくなる。

壮大なストーリー、感動の物語じゃなくてもいい。

日頃の小さな幸せと優しさを、そっと積み重ねていくことが、日々の幸せに繋がっていく。

人に語り継がれるドラマではなくても。

私は明日からも、小さな幸せをたくさんの人と、積み重ねていきたい。


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