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ショートショート:『スベり高等学校』に入るために 

              (約410字)

スベり高等学校の校門から校舎の間には、手入れをされた庭にマツバボタンが一面に咲いていた。
マツバボタンはこの学校のシンボル。

数年前にその花を悪戯に引きちぎり、道路の縁石にばら撒いた生徒は、その行為によって退学に追い込まれたという。

スベり高等学校の受験を申し込むのを迷う
2人。

高校受験は、試験によって優秀な成績をおさめた者が入学する権利を勝ち取るものだが、スベり高等学校は受験前に選別される。

推薦入学を受けられる優秀な生徒は、受験資格がないのだ。

「どういうことなの。
賢い中学生は歓迎されないってこと!?」

エイ子は素っ頓狂な声をあげた。
チューイングガムを噛む口をブルブル震わせながら、足をバタつかせている。

「ヤダぁ、ヒンちゃんと同じ学校がいいよぉ」

日が落ちる前の放課後で、涙目のエイ子は泣き真似をする。

「アンタは入れるわよ」とヒンちゃん

「そだね。アタシは悩むことない」

会話がスベってた。




たらはかにさんの企画に初めて参加させていただきました。よろしくお願いします。

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