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北海道周遊 2018年冬⑦ 小樽・余市・仁木・小沢・倶知安

今日は小樽からスタートし、函館本線のいわゆる「山線」の各駅をめぐります。函館本線は函館から長万部、倶知安、小樽、札幌を経由して旭川まで至る長大な路線ですが、このうち長万部ー小樽の区間が「山線」と呼ばれます。

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早朝の小樽は雪こそ降っていませんが、強く冷え込んでいます。さすがに観光客の姿は見えません。小樽駅の入場券は夏に観光で訪れた際に購入していますが、せっかくなので、改めて購入します。

26. 小樽駅

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発売場所 小樽駅 みどりの窓口(5:30~22:45)

表面は函館本線を走るキハ201系。函館本線は小樽から先は非電化区間で電車が走れないため、札幌と小樽以遠の余市、倶知安方面を直通する目的でデビューしました。気動車ながら、電車と同等の性能、さらに電車と連結して運転もできる高性能車両ですが、製造費が高く少数派の車両です。函館本線は小樽から札幌方面に向かう区間で、日本海が望めます。

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⑨小樽駅のキハ183系入場券は特急「北海」です。1967年から1986年まで、函館から「山線」経由で札幌、旭川まで運転されていた特急です。「北海」の廃止によって、小樽駅を通る定期の特急列車が消滅しました。

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かつて、北海道の鉄道の玄関口だった函館駅からは、青函連絡船に接続して道内各地へ列車が運行されており、函館から札幌までのメインルートだったのが、函館本線です。しかし、「山線」は急こう配や急カーブのため、スピードアップが難しく、特急列車は次第に、長万部から東室蘭、苫小牧を経由する「海線」経由のものが増えていきます。

現在、札幌と函館を結ぶ特急列車はすべて、距離は長いものの沿線人口も多く線形もよい「海線」経由となり、「山線」はローカル線と化しています。

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まずは始発列車で余市を目指します。小樽から札幌方面は、日中は新千歳空港まで快速エアポートが直通し、ICカード「Kitaca」が利用できるなど札幌の近郊区間として列車本数も多く設定されています。しかし、余市方面は気動車での普通列車のみが1時間に1本程度運転され、ICカードも利用できません。

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小樽 6:13→(普通蘭越行き)→余市 6:38

27. 余市駅

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表面は、小樽から乗車してきたキハ150形気動車。北海道の普通列車用の気動車で初めて冷房を搭載した車両です。2020年から山線の普通列車は新型車両に置き換えられています。裏面では余市名産のワインがアピールされています。余市の地名の由来は、アイヌ語由来のようですが、諸説ありよくわかっていません。

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余市はワインだけでなく、ウイスキーの町としても知られています。駅を出た正面に蒸留所がありますが、さすがに朝早すぎるので、前まで行って駅に引き返します。

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余市は札幌まで約1時間の距離にあり、朝には余市から札幌まで直通の列車もあります。駅で待っていると、7:40発の札幌行き快速列車が車両故障の影響で大幅な遅れが見込まれるとのこと。駅係員が小樽、札幌方面に向かう人に、小樽までの路線バスの案内を始めました。窓口で話をしている人は札幌を経由して新千歳空港まで行くようです。飛行機に間に合えばいいのですが…。

小樽方面からの然別(しかりべつ)行き列車は定刻通り到着しました。一駅だけ乗車します。

余市 7:39→(普通然別行き)→仁木 7:44

仁木(にき)駅で下車しました。然別行きの普通列車は、仁木の次の然別で折り返します。駅前の道をまっすぐ歩いて国道沿いにあるコンビニエンスストアに向かいます。

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28. 仁木駅

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発売場所 セブンイレブン仁木北町店(24時間営業)

表面は国鉄色のキハ183-0系。臨時列車で山線を走行したときのものでしょうか。裏面では仁木町名産のサクランボやミニトマトがアピールされています。余市や仁木は北海道内でも比較的暖かく、果実栽培に適した気候です。仁木の町名は、徳島からこの地に入植した仁木竹吉の名にちなみます。

セイコーマートで発売していたご当地入場券は数多くありましたが、セブンイレブンで購入したのはここだけだった記憶があります。コンビニのカウンターで「入場券ください」って言うのちょっと不安になるんですよね…。コンビニ店員さんも慣れない中、切符に日付印を押してくれますので、本当に地元の支えあってこその企画だなと実感します。

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仁木駅は無人駅ですが、立派な駅舎が建っています。少し雲が晴れ、空が明るくなってきました。

仁木からは山線に並行して倶知安方面に向かう路線バスに乗車します。バス停は国道沿いのコンビニのすぐ近くにありました。列車の本数が少ない区間では、鉄道に並行して走る路線バスがあると行程が立てやすくなります。

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バスが到着しましたが、これどうやって乗るんだ。仕方がないので、歩道と車道の境目に積みあがった雪の壁を踏み越えてバスに乗車します。ほぼ定刻でバスは発車し、稲穂峠を越えていきます。

仁木郵便局 8:17→(ニセコバス)→小沢 8:48

小沢(こざわ)駅前のバス停で下車しました。吹雪いたのか除雪の影響なのかわかりませんが、バス停は雪をかぶって真っ白です。

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ご当地入場券は駅前にある商店での販売です。ご当地入場券の発売場所は専用のホームページにまとめられていましたが、「臨時休業あり」の文字が気になります。すでに年末なので、休業していてもおかしくはありません。商店の前で雪かきをしているおじいさんに声をかけると、店に入れてくれました。やはり入場券目当てで来る人は多いのでしょう。

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29. 小沢駅

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発売場所 佐々木商店(7:00~18:00/臨時休業あり)

表面は小沢駅を発車するキハ150形。裏面には町の名産らいでん西瓜や神仙沼がデザインされています。

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小沢駅に向かうと、列車が停車しています。どうやら、余市駅で、車両故障のため大幅に遅れると案内されていた札幌行きの快速ニセコライナーのようです。定刻では小沢駅 7:08発なので、1時間半以上遅れていることになります。どうやら、次に乗る倶知安行きの列車の行き違いを待っているようです。

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小沢駅は共和町にある唯一の駅ですが、町の中心部からは離れています。かつては小沢駅から共和町の中心部を経由して隣の岩内(いわない)町に向かう岩内線が分岐していました。駅舎側にある旧1番線が岩内線用のホームのようですが、雪で埋もれており、何も見えません。

小樽方面から列車がやってきました。倶知安(くっちゃん)まで一駅乗車します。

小沢 9:05→(普通倶知安行き)→倶知安 9:18

30. 倶知安駅

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発売場所 倶知安駅 みどりの窓口(5:00~21:40)

表面は羊蹄山を背に走るキハ150形。羊蹄山は倶知安町の南にあり、その姿から蝦夷富士とも呼ばれます。裏面では倶知安の観光が全面に押し出されています。倶知安周辺は隣のニセコ町も含め、年中観光客でにぎわう観光資源豊かな地域です。

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倶知安の名は、当時の北海道庁参事官、白仁武によって名付けられました。アイヌ語由来といわれていますが、由来には諸説あります。

冬ということもあってか、スキーやスノボの装備をした外国人観光客が多くいます。窓口も外国人が列を作っており、駅員さんは対応に追われています。

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2031年度予定の北海道新幹線札幌延伸開業の際には、倶知安に新幹線駅が設けられることが決定しています。現在は札幌までは2時間弱かかりますが、新幹線が開業すれば20分ほどで札幌に行けるようになります。

一方、小樽ー函館の函館本線はJRから切り離されることになっており、小樽ー長万部の区間はバス転換も選択肢に話し合いが行われています。この先10年ほどで北海道の鉄道網も大きく変化しそうです。

現在の倶知安駅には1番線がなく、改札からこ線橋を渡って2、3番線に行く構造になっています。倶知安駅の1番線からは胆振(いぶり)線が分岐していました。室蘭本線の伊達紋別駅まで80kmほどの路線でしたが、1986年に廃止になっています。

倶知安からはさらに山線を進みます。


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