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北海道周遊 2019年GW② 名寄・安牛・豊富

時刻は朝5時過ぎ。旭川から2日目がスタートです。支度を済ませ、ホテルから駅に向かいます。

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札幌への一番列車特急ライラック2号は旭川を5:18に出るため、旭川駅は朝5時から営業しています。これから乗車する稚内行き普通列車は既に改札中です。自動改札に切符を通して、ホームに向かいます。

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ホームには既に列車が停車しています。車両はキハ54とキハ40の2両編成です。

宗谷本線は沿線人口の少なさから列車の本数も極端に少なく、旭川から稚内まで通して走る普通列車は始発の1本のみです。6:03に旭川を出た列車が259.4km先の稚内に着くのは、お昼を過ぎた12:08です。早朝の始発列車ですが、車内はほどよく埋まっています。ほとんどが旅行者の印象です。

列車は定刻通り旭川駅を発車し、宗谷本線を北上します。途中、北永山と南比布(みなみぴっぷ)を通過するほかは、全51駅に停車していきます。

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東六線(ひがしろくせん)駅に停車です。旭川の市街地を抜けると、周辺に家はまばらになります。北海道特有の板張りの簡素なホームの駅にも列車は一つ一つ停車しながら北を目指します。

旭川 6:03→(普通稚内行き)→名寄 7:45

旭川から1時間40分、宗谷本線の途中駅名寄(なよろ)に到着しました。列車はここで7分停車するので、停車時間を利用してご当地入場券を購入します。

44. 名寄駅

名寄表

名寄ウラ

発売場所 名寄駅 みどりの窓口(7:40~17:05)、セイコーマート名寄西4条店(24時間営業)

表面は宗谷本線を走る特急サロベツで、先頭の赤い車両はお座敷車に改造された車両です。裏面では、雪深い道北で除雪に活躍したキマロキ編成が紹介されています。名寄駅近くの博物館で野外展示されており、宗谷本線の車内からも見ることができます。

名寄駅は今夜の宿をとっているので、夜にもう一度戻ってきます。

名寄で後ろの車両を切り離し、ここからは1両編成で、さらに北上を続けます。旭川から名寄までは比較的普通列車の本数も多く設定されています(といっても12往復)が、名寄以北は列車本数が激減します。特急3往復と普通列車4往復の運転で、この7:52発の普通列車の次は9:56の特急、次の普通列車となると、14:55発まで実に約7時間空いてしまいます。

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途中の智恵文(ちえぶん)駅。車掌車を改造した貨物貨車の駅舎が置かれています。北海道では冬季の列車利用のため、無人駅でも必ずといっていいほど待合室が設置されています。写真のような貨物駅舎は宗谷本線では多くみられます。

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糠南(ぬかなん)駅。これでもちゃんと営業中の駅です。糠南駅の待合室は、プレハブ物置の改造。周辺には民家が1軒あるだけの秘境駅ですが、毎年クリスマスイブには全国から鉄道ファンが集まり、町全面協力のもと、クリスマスパーティーが開催されることで知られます。

旭川を出て4時間半、列車は幌延(ほろのべ)駅に到着しました。ここで21分停車するので、再び改札を出て、ご当地入場券を購入します。

名寄 7:52→(普通稚内行き)→幌延 10:35

45. 安牛駅

幌延表

幌延ウラ

発売場所 幌延駅 みどりの窓口(7:10~15:00)、セイコーマートほろのべ店(5:00~24:00)

表面は天塩川沿いを走るキハ54系。幌延町内には宗谷本線の駅が8駅ありますが、町中心部にある幌延駅を除き、1日の乗車人員が1人を下回っています。幌延町は「秘境駅」を前面に押し出してPRしていますが、たびたび廃駅の話も持ち上がり、厳しい状況が続いています。

幌延は、アイヌ語の「ポロヌタㇷ゚」(大きい・野の出っ張り)に由来するとされていますが、諸説あります。

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幌延駅からは、日本海側を南下して留萌に至る国鉄羽幌(はぼろ)線が分岐していましたが、国鉄民営化直前に廃止になっています。羽幌線廃止後は沿岸バスが廃止代替バスを運行しており、駅前に停留所があります。沿岸バスはオリジナルの萌えキャラを積極的に起用するなど、ファンの間では有名なバス会社です。

幌延駅のご当地入場券は駅窓口のほかに、セイコーマートほろのべ店でも発売されていました。Googleマップによると、セイコーマートは駅から徒歩10分の位置ということで、小走りでセイコーマートまで入場券を買いに行った思い出があります。天気がよくてよかった…。

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幌延は北緯45度線が通る町です。北緯45度線はアメリカとカナダの国境にもなっている線で、北に来たことを実感します。冷涼な気候を生かし、町内ではトナカイを飼育している牧場があるようです。

セイコーマートまで往復している間に列車の発車時刻が近づいてきました。再び稚内行きの普通列車で北上します。

幌延 10:56→(普通稚内行き)→豊富 11:10

豊富(とよとみ)駅で下車します。駅舎に併設された観光案内所でご当地入場券を購入します。

46. 豊富駅

豊富表

豊富ウラ

発売場所 豊富町観光情報センター(9:00~17:00/休業日:年末年始)

表面は、利尻富士を背に牧場地帯を走るキハ261系。裏面では、サロベツ湿原や酪農のまち、豊富温泉が描かれています。セイコーマートに行ったことのある人なら、とよとみ牛乳を聞いたことがある人も多いのでは。豊富温泉は全国でも珍しい石油が混じった泉質で、皮膚病に効くとされ、全国から湯治客が集まります。豊富の名は、アイヌ語の「イペコロペッ」(食物(魚)をもつ川)の意訳に由来します。

豊富駅で入場券を買うと、急いでホームに向かいます。ホームには、稚内から来た名寄行きの普通列車が入ってきました。先ほどとは逆方向に向かう列車で、来た道を引き返します。本数の少ない宗谷本線で入場券を集めるために、少しタイトな旅程になり、豊富駅の滞在時間が7分しかなかったのは苦肉の策でした。

豊富 11:17→(普通名寄行き)→幌延 11:34

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列車は先ほども降りた幌延駅で13分停車します。札幌から来る特急宗谷と行き違い待ちです。窓口で、先ほど買いそびれたご当地入場券も購入します。

行き違いを終えると、列車は走り始めます。天気もよく、窓を開けると心地よい風が吹き込んできます。1両のワンマン列車ですが、乗務員は2名乗車しています。

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幌延町のご当地入場券の発売駅にもなっていた安牛駅。周囲にはポツポツと建物が見えるだけで、人の気配はあまりありません。

途中、音威子府(おといねっぷ)駅で運転士が交代しました。乗務を終えた運転士が、車内を通って後ろの運転台に移る途中、旅行客らしい夫婦が声を掛けます。「長い距離で大変ですねえ。お疲れ様です。」運転士は軽く頭を下げて笑顔で後ろに移っていきました。長距離を走る普通列車では途中で降りずに乗りとおす人も多く、列車内の人たちが謎の一体感を感じることがあるように思います。

音威子府駅では3分の停車で発車しました。板張りの無人駅に止まりつつ、しばらく人気のない山の中を走ります。

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天塩川温泉駅に停車しました。天塩川を挟んで天塩川温泉の最寄り駅ですが、駅周辺には建物は見当たりません。天塩川温泉には音威子府駅からバスが出ており、この駅を利用する人はかなり少なそうです。

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恩根内(おんねない)駅に停車。北海道名物、駅舎の横を素通りしてホームに行ける駅です。駅周辺は集落になっていますが、それでも1日の利用は3人以下です。美深、名寄方面に路線バスが利用できるのも理由の一つかもしれません。一部報道では、2021年のダイヤ改正で廃止になるとのことでしたが、はたして。

音威子府から40分で、美深(びふか)駅に到着です。

幌延 11:47→(普通名寄行き)→美深 13:54

~つづく~



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